miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

統合福音書

共観福音書を読むたび、なぜ三書を合体・編集しなかったのか不思議に思う。数の最大公倍数を求めるように、共通するエピソードは詳細なものを採用し、固有・独立のものは単体で選抜すればマスターピースが編めたと思う。教会確立以前の信仰共同体の名残がし…

伝わるニュアンス

さいとうたかをの「ゴルゴ13」を特集した番組で、さいとうたかを御大が、ゴルゴの顔は無表情な中に表情をつけるのが難しいと語っていた。 ゴルゴは場面・場面で異なる微妙に表情をみせる。それは、目線の方向と、左右どちらかの瞳、恐らくは目立たぬ方の瞳の…

お美事!

柔道70㎏級 新井千鶴の準決勝に魅入った。相手選手 ロシアのタイマゾワも天晴だった。クズリのような闘志とヘビのような柔軟さを持った選手だった。両者の健闘とメダル獲得を祝すると共に、タイマゾワの日本への柔道留学を期待したい。彼女は未だ22歳である…

ブロンズと燻し銀

女子ソフトボールの金メダルは、二大会に亘って正式種目に選ばれない無念を、力にもスピードにも運にも変えた。投手の上野選手は国民栄誉賞に値すると思う。 柔術の面影を残す寝技で勝ち進んだ渡名喜風南。準々決勝の腕挫十字固はアナウンサー・解説者も直ぐ…

デューク東郷の五輪

オリンピックネタでゴルゴ13の身体能力モノが出ている。厚冊のビックコミック別冊で、セブンイレブンで買い、惜しみ惜しみ、飛ばし読みしている。 強さは当たり前でストーリーになるまい。記録物は書くだけ空々しい。上手さ、巧みさをどう料理したものか。弓…

イエスか肺か

二十年ほど前、「イエスという男」という本を読んでイエスの像が結ばれた気がした。近頃、「失われた聖書 Q文書」を読んで、イエス像が更にクッキリした。 使徒や信者にとって、イエスの教えを信じることは「快」以外の何物でもなかったと思う。ルイ・ルナン…

エイ・オー・・

藤井八段が天敵豊島九段とのタイトル戦に臨むにあたって「最大で12戦できるのは楽しみ」というように発言をしていた。少し前にテレビで観た。今、投稿に当たって正確を期すためネットを当ったが、目当てのページに行き着かない。 とまれ、これを聞いた豊島九…

普遍的個性

読売新聞社社主渡辺恒雄のロングインタビューが放送されてい、改めて怪物性を確認した。評判の高い「派閥――保守党の解剖」は読んでも少しも良いと思わなかったが。 今の政治家が揃いも揃って小粒な理由を渡辺恒雄に聞いてみたい。続けて、政治家のレベルをあ…

令和30年 – マニャアル、ダイジェスト、羅針盤

少し前、映画のダイジェスト版を販売か放映して、著作権違反で逮捕された人がいた。この人の気持ちが良くわかる。自分自身が、ダイジェストで観たかったのだろう。同感である。 ダイジェストで観たいものは映画に限らない。特番、ハウツーもの、〇〇スペシャ…

そのとき・・

経験では、句の後半が口をついて出て来る俳句は、良い出来と思う。投稿の前に調べたら、二句と結句というらしい。つまり、後半三分の二の、七・五のパーツである。七・五が決まると句を締め、メッセージが骨太となる。恰好付けずに有体に言うと、最近、発句…

〇〇的生物

ホモ・サピエンスとは宗教的生物と思う。ハラリ氏の著書にはそう書いてあっただろうか。同氏は賛同するだろうか。批判するだろうか。 文明の最高の所産は高度宗教という。これはトインビーの所説である。ホモ・サピエンスは必然的に文明化し、その過程で不可…

集団免疫への道しるべ

今、世界と日本は着実・確実に、集団免疫の道を歩んでいる。そのプロセスで犠牲を゛きるだけ少なくすることが大切となる。この間、世界民や国民への説明と、民主的な同意取得も欠かせない。それには、感染者だけでなく、重症者、死亡者の数と割合を毎日公開…

承前Ⅱ

日が空いてしまったが、NHK「100分で名著 ボーボォワール『老い』」に肖った閑長の妄想、続々篇である。 『眠れる美女』で川端康成は、宿屋の女に「悪いことはなさらないのですから」と言わせている。「悪いこと」の意味と反語とメッセージを考えてみたい…

承前Ⅱ

日が空いてしまったが、NHK「100分で名著 ボーボォワール『老い』」に肖った閑長の妄想、続々篇である。 『眠れる美女』で川端康成は、宿屋の女に「悪いことはなさらないのですから」と言わせている。「悪いこと」の意味と反語とメッセージを考えてみたい…

言葉ならざるもの

プラトンの第七書簡に、言葉とは弱い伝達手段であって本当に大切なことは「書かれたもの」や「書物」には盛り込めない、とプラトン自身が記している。 国際間の肝心要の取り決めは、実は不文法で定められており、領土に関しては、力で決まる、と決められてい…

放り出すこと

詩人の高橋睦郎が、詩作するとは詩がやって来るのを待つこと、と語っていた。語りの相手は美学者青山昌文で、放送大学「美術の歴史と理論」の二回目の講義だった。閑長は詩人ではないが同感である。リルケは詩作とは待つことだ、と言っている。 詩人は続けて…

狂熱のこだわり

サム・ペキンパーの「ワイルドバンチ」は壮絶な西部劇である。ラストは野盗四人と数百人の敵との銃撃シーンである。数発の被弾で息絶える前、この四人は、マシンガンやショットガン、ライフル、自動拳銃に六連発リボルバーを撃ちまくって、数十人かそれ以上…

承前

NHK「100分で名著」に肖ったボーボォワール「老い」論、「老人と性」についての管見である。 「老人と性」に関して貝原益軒は「人、年二十の者は四日に一度もらす、三十の者は八日に、四十の者は十六日に、五十の者は二十日に一度それぞれもらす」とした…

暴君の次に来るもの

NHKの100分で名著というシリーズ番組で、ボーボォワールの「老い」を解説していた。第3回では「老人と性」が採り上げられ、講師の上野千鶴子東大名誉教授が、「女の子宮は社会の物」「老人の性のタブー視は所属社会と、自己の思い込みの産物」等々、気炎…

画家のすべて

日記と書簡類が含まれて「全集」とよばれ、含まれないのは「集」とか「著作集」とされる。以前、そんな文章を読んだことがある。してみると岩波の「岸田劉生全集」は正しく全集なのだが、画家の場合は絵を含まないのは、全集の僭称ではないか。せめて全十巻…

画家のすべて

日記と書簡類が含まれて「全集」とよばれ、含まれないのは「集」とか「著作集」とされる。以前、そんな文章を読んだことがある。してみると岩波の「岸田劉生全集」は正しく全集なのだが、画家の場合は絵を含まないのは、全集の僭称ではないか。せめて全十巻…

妄言集 改訂新版

「出ぬ杭は朽ちる」 ←「打たれるとも出る杭となれ」 「出ぬ杭は出るに値せず」 ←「打たれるとも出る杭となれ」 「転がる石に圭角なし」 ←「見どころのある角、それが圭角」 「古身の鉄に錆つかず」 ←「錆が出るのは鋼(ハガネ)の証拠」 「阿呆も群れれば衆と…

不易流行 Ⅱ

昭和の中頃の美術全集をみると、伊藤若冲とフェルメールの扱いの小ささに気付く。今なら一ページか二ページを費やして紹介していようが、6~70年前は、半ページか三分の一ページそこそこである。画家の人気には変遷がある。 戦後の人気の推移をピカソ、マチ…

神々の競演

ダナエ、ユデツト、レクリティウス、パテシバ、エウロペ、思いつくまま書き出してみた。聖書と神話の女性主人公であり、西洋絵画の画題である。彼女らの役柄と登場シーンが判ると、絵の意味がすっと通る。 同じ主題の作品を画家ごとに見比べると興味深い。画…

不易流行

季節のサイクルが「春夏秋冬」となったのは平安朝の新古今和歌集の章立てによるらしい。季節は繰り返すから、「春夏秋冬」「春夏秋冬」「春夏秋冬」が繰り返される。いつも春からリスタートするのである。もしこれが「冬春夏秋」であったなら、季節感ばかり…

手に入れて、失って・・

幼い頃、祖母から大ゾウムシを貰った。祖母は電車で遠出し、帰りの駅で捕まえたと云った。“ お前への土産がなかったから、丁度良かった ” とほほ笑んだ。その同じ日、ゲンゴロウも手に入った。他人からもらった覚えはない。自分で捕まえた確かな記憶もない。…

過褒なり93段

昨日の続きである。 放送大学の講義では、徒然草93段の解釈に小林秀雄を担ぎ出して、結論とも言えぬ結論でお茶を濁している。結論とも言えぬ結論・・との評価は、我ながら至当と思う。同段の最終節「生死の相にあづからずといはば、実の理を得たりといふべし…

徒然草の法解釈

放送大学で批評文学としての「徒然草」が講じられていた。採り上げられたのは93段の「牛を売る者あり」だった。 牛を買おうとした人がいた、明日代金を払って引き取る、と約束した。その晩、牛が死んだ。牛を買おうとした人は難を逃れ、牛を売ろうとした人は…

古謡の流れ

音楽は専門でも好みでもなく、むしろ苦手であるが、古謡には惹かれる。最初のフレーズを耳にしただけで、それと知れる。巧まず、語りのようで、自然だから、と思う。モーツアルトの曲の自然さとは源の異なる自然らしさである。 一センテンスの前半上って、後…

粗見

カサブランカの「君の瞳に乾杯」のことは以前にも書いたが、映画でボガードが四度も言っていたことには気付かなかった。以前の記事は、三度目の“ 乾杯 ”の事だけ注目して書いた。やはり映画は背中で、ながら・・で観てはいけない。 四度の「乾杯」は、前半の…