映画
映画「特攻大作戦」の米軍兵士たちは、 どうして皆が皆、終始、髭を剃りたての貌をしているのだろう。
初代ショーン・コネリー:スノベリー 三代目ロジャー・ムーア:ウィッティ 七代目ダニエル・グレイぐ:マチズモ他は取るに足りぬ。
「従順ならざる日本人」と、マッカーサーに評されたのは白洲次郎だが、 「なびかざるボンドガール」と、賛辞を贈りたいのが、 「007 サンダーボール作戦」のルチアナ・パルッツィである。 彼女の存在によってボンドガールのみならず、 007のプロットの振幅が…
007「ロシアより愛をこめて」を久々、観て、 漫然とラストのクレジットを眺めいていると、 ジェームズ・ボンドの配役を、ショーン・コネリー、 M、誰それと紹介する中で、 ブロフェルドを「?」としてあって、可笑しかった。 ベニスの舟上でボンドが8ミリフ…
フェリーニの8 1/2、ラストに主人公が自殺するとは気が付かなかった。 その一事をもって、映画のウェイトとトルクが違ってくる印象である。 早々に再鑑賞して、スクリーンの向う側まで観尽くしたい。
偶々映画を観ていたら、アラン・ドロンが掌をかざすシーンになり、 いわゆる升掛線が画面に大写しにされた。 升掛線は、熱意と執着心の強さを表すという。但し、日本の話であるが。 世界の二枚目にヤヤ不似合いな手相に思えるが、芸術家に多い手相だそうだか…
西部を制した拳銃コルトSAAの各種モデルでは、いわゆる“フロンティア”が贔屓だった。 長さ的には真ん中である。荒野の少年イサムの愛銃の長さである。 市場的には一番短いシビリアンが人気らしい。 ダブルアクションでは映画「ダーティハリー」で6inchのス…
「太陽がいっぱい」で、フィリップを殺害したトムが港に戻ると、 波止場で日向ぼっこしていた二人の老漁夫が、 「哀れな奴だ」と呟く場面がある。 なぜだろうと、ずっと疑問に思っている。 運命の暗示では即物的すぎる。 プロット的には、船の停泊方法とか、…
「太陽がいっぱい」の彼女役マルジェが貰った本の画家は「フラ・アンジェリコ」だった。 何度も観た映画だったが、今回はっきり認識した。 ストーリーにマッチするかは判断できないが、マルジェにはピッタリかもしれない。 映画を観終わって、フラ・アンジェ…
BSでオードリーヘップバーンの「尼僧物語」を観て、これは疎かにできない一編と思った。 世界文学の名作か宗教思想書に比肩する内容に思えた。 正宗白鳥はこの映画を観たのだろうか。 北森嘉蔵がこの作品を知っていたのだろうか。 とまれ、心して再視聴する…
サタ・シネでジャック・ニコルソンの「ウルフ」をみた。 生命力に満ち、敏捷で強靭な体をもった狼がなぜ、蛇行運転で屁っぽこのニコルソン車に轢かれたのか、と疑問に思った。 が、ラスト近く、パートナーが妊娠していることが知らされ、狼メはウィルをわざ…
『ゴッドファーザー PART II』の上院公聴会のシーンの最後で、組織の暴露を企て、言を翻したフランクと、シシリアからやってきたフランクの兄が、退出時にすれ違うシーンは傑作と思う。よくぞ撮った、コッポラ監督。 兄弟に、マイケル、そしてケイ、トムの心…
映画「大いなる勇者」は、ロバート・レッドフォード扮する西部の山男が、次々と失っていく事を描いて、実に見事である。喪失の代りに替わりに得たものというと、孤独とせいぜい自負だろうか。誇りとプライドと言うほど、この映画は尖がっていない。 主演がロ…
映画「ロッキー」の続編『クリード 炎の宿敵』は、ロッキーのライバルにして親友 アポロの命を、試合で奪ったロシア人ボクサー、イワン・ドラゴが、息子ヴィクターを最強の戦士に鍛え上げ、ロッキーへの復讐を図るという映画である。 ドラゴは、ロッキーとの…
かねて日本人の映画はなぜか作り物っぽくて、リアリティに欠けると思っていたけれど、BSのヒューマニエンスの「目」をみて、謎解きのヒントを貰った気がした。 番組の知見では、欧米人は口元で感情を伝えるのに対し、日本人は目で気持ちを伝えているとされる…
映画館で「トップガン・マーベリック」を観て、本が、つまり脚本が良いとおもった。状況とキャストのキャラ、相関関係が実に上手くセットされている。基本設計がハリウッド的というよりむしろ東洋的である。絶対的な主人公でなく、連峰式のヒーロー設定で、…
なにげなく映画「小さな恋のメロディー」を観ていて、後半の教師たちとのドタバタ劇の辺で、1970年代の学生運動とベトナム反戦運動を想起した。当映画は1971年の制作である。70年代は反体制や弱者による抵抗が、ドラマにもテーマにもなり得た時代である。そ…
I`m very good loser. (しぶとく生きてんの) 映画「追憶」のラスト。バーブラ・ストライサンドの一言。 I am John wayne. John wayne never lose. (俺はジョン・ウェイン。無敗のおとこだ。) ハリウッドスター ジョン・ウェインのセリフ。 誰がどう見たっ…
スタンリー・キューブリックの監督作品はたった13作という。寡作である。因みに世界の黒澤明の監督作品は30作でに及ぶ。キューブリックの13作の多くで、監督自身が出演しているかと思われるような濃いキャラの人物が登場する。 「機械じかけのオレンジ」の異…
昨日に引き続き「荒野の七人」である。 ジェームズ・コバーン演ずるブリットは原作「七人の侍」の久蔵に最も近い役柄という。メイクキングビデオでは、この役に「抜擢」されて喜ぶ映像が収録されているが、コバーンの存在は本作において、当り役以上に嵌り役…
映画「トップガン」のラスト、アイスマンのセリフについては、既に書いたと思って検索したけれども見当たらなかった。昨夜、久々再放映され、公開から35年を閲してほぼ会心の翻訳だったので、是非書き止めたくなった。 ミグ戦闘機四機を撃墜して、僚機を助け…
「ボヴァリー夫人」と「アンナ・カレー二ナ」は、どちらも女主人公の悲劇的な死で幕を閉じる。どちらがより名作であるかは、嗜好の問題になると思う。文章・文体フレークは前者を、プロット好みは後者を贔屓にするように思う。 今日は、「アンナ・カレー二ナ…
外国映画のナレーションは、名画ならば字幕でも吹き替えでもOK、名画以外のB級ものならば、吹き替えがお勧め、と長らく思ってきた。最近、BSでジーン・ハックマンの「地獄の七人」を観て、この映画は字幕以外考えられないと思った。俳優の“ 地声 ”で観…
次作の007ジャームズ・ボンドは女性になるだろう。「ノータイム・ツゥ・ダイ」でお目見えした娘さんへの " 古名跡 " 引き渡しまでのショートリリーフか。とまれ歴代ボンドの売りポイントと次代女性ボンドへの期待を整理してみた。 ショーン・コネリー:丸出…
ダニエル・クレイグ最後の007「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をみて詰まらなかった。ダニエル7の中で一、二本の不出来と思う。007映画の良さがなく、ミッション・インポッシブルの面白さにも欠けていた。脚本と監督の責任と思う。 前も書いたが、かつての007映…
映画「無法松の一生」で、海が写されるシーンは小倉太鼓を打ち終わった後の一回だけである。 画面は、荒波のしぶきが気性と境涯との激しさを想起させる。 玄界灘付近の映画でありながら一度だけの画像によって、謙抑の最大効果を表して見事である。板妻版の…
70年代のハリウッド映画は「太陽」がちがう。俳優の額には汗が光る。 時代の熱さを映じている。デジタル前の粒子の粗い画面が映える。
TOHOシネマで「孤狼の血 Level 2」を観てしまった。 松坂桃李の日向刑事を半熟に描いて評価。三年で一人前は早すぎる。 鈴木亮平は耳まで演じ切る凄みで85点。 元公安デカの中村梅雀の裏切りはヤッパシか・・で加・減点なし。 ラストの両雄対決はドラマ…
「孤狼の血 レベル Ⅱ」の封切りは来週の金曜、その前に書いておきたいことがある。 前作「孤狼の血」のラスト近く、煙草の煙を吐き出しつつ日岡刑事が「あぁ、吸うとったわ」と呟くシーンがある。ライターは大上刑事の遺品である。大上の“狼”が日岡に乗り移…
サム・ペキンパーの「ワイルドバンチ」は壮絶な西部劇である。ラストは野盗四人と数百人の敵との銃撃シーンである。数発の被弾で息絶える前、この四人は、マシンガンやショットガン、ライフル、自動拳銃に六連発リボルバーを撃ちまくって、数十人かそれ以上…