miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

封じ手を知るは・・

封じ手の定義は「対局の中断時に有利不利がでないよう、次の手をあらかじめ決めておくこと」という。よく使われるのは囲碁や将棋で、翌日開封して、勝負は再び続けられる。持ち時間中に中断すれば、持ち時間が盛られることになってしまうから、公平を期して…

王昭君のこころ

菱田春草の重要文化財「王昭君」は、幅3m70㎝の大作である。 この作品は左右二幕で成り立っている。右幕の女官たちの図は哀切と同情、軽侮に指弾、さらには傍観が入り混じった女の世界である。先頭にはざわつく女官を窘める年嵩の女官が描かれる。 左幕には…

花をのみ待つらん人に

4年ほど前、飯田美術博物館で菱田春草の「菊慈童」を観て、絶句した。平面作品とは思えない奥行きと大気感、湿気感があった。これが絵としたら、今まで見てきた絵はいったい何だったのか、大袈裟でなく、そうまで思った。 その飯田美博で今、没後110年の菱…

創法行為

衆議院選挙の争点の一つに同性婚を認めるか、という論点があるけれど、「〇〇婚」に拘る必要はないと思う。つまり、結婚類似の、というより結婚とほぼ同じの身分制度を別に創設し、「カップルシップ契約」とでも名付けて、相続、代理、扶養、同居関係を認め…

空前・未踏には・・

大谷翔平選手が、大リーグ機構から「コミッショナー特別表彰」を受けたという。また、最も優れたバッターを表彰する「シルバースラッガー賞」で指名打者部門の最終候補5人の中にも入っているという。 大谷選手の活躍をみれば、賞を受けるというより、賞を授…

モードの変遷、時代のアイコン

ちょんまげ二本差し⇒江戸 ザンギリ頭にズボン⇒明治 妙な日本的洋装⇒大正 モンペからパンタロン⇒昭和 ???⇒平成 マスク・フェイスシールド⇒令和 コロナが収まっても、マスクフェイスは時代のモード、テレビドラマのアイコンになると思う。

振り返る五輪 望見する民間議論

コロナ感染者の数がひと頃の十分の一以下になって、コロナ禍も一段落の様相である。もし感染が猖獗を極めていたなら、政府の厚生施策はもちろん、東京オリンピック開催も指弾されていたと思う。開催の是非論は置いて(閑長は"賭け"開催は反対でした)、結果か…

寸秒の世界

「美は一瞥できまる」『美の狩人』 藝林 梅野隆氏の言。 「1年かけて描いた絵も、見極めるには一秒とかからない」 敬愛する丸田隆則画伯の忘れられない一言。 「20㎝のデッサンで、その画家の腕がわかる」こちらは鬼才 梅野亮画伯の至言。 どれも画家自身の…

光悦と宗達

鶴下絵三十六歌仙和歌巻 俵屋宗達画、本阿弥光悦書の重要文化財である。冒頭、柿本人麿の人の字が脱落して、横に添え書きしているが、閑長にはデザイン性を考えたわざわざの加筆に見える。「みせ消ち」という言葉があるが、“見せ脱字”の例と思うのである。本…

肉声で観たい・・

外国映画のナレーションは、名画ならば字幕でも吹き替えでもOK、名画以外のB級ものならば、吹き替えがお勧め、と長らく思ってきた。最近、BSでジーン・ハックマンの「地獄の七人」を観て、この映画は字幕以外考えられないと思った。俳優の“ 地声 ”で観…

ドスト氏との相性

人文科学の本を読むとドストエフスキーが実によく登場する。偉人、著名人の若き日の読書体験に多い。ミーハーな閑長は、ご多聞にもれず、短編、長編のほぼ全冊と、日記、書簡、創作ノートも読んだ。高価なちくま文庫や筑摩の全集、旺文社文庫版まで漁った。…

雨を描く 雨の日を描く

浮世絵師安藤広重の描く雨の図は、雨脚を平行線で描いて、雨が放つ光を対角線で描いている。 このパターン化で雨の強弱と風までみえて面白い。 洋画家山本弘の「秋雨」は、青と茶二色の使い分けで、雨の日の気分まで描いている。 一本だけ引かれた水平の雨が…

度胸千両、諦念万両

生保会社が募集する「サラリーマン川柳」に応募しようといくつか駄柳(?)をものしたが、これはサラ川ではなく、リタイア川柳かシルバー川柳だと気づいた。けれども変に愛着がわくので、没にする前に書き止めてだけおきたい。 〇 立ち至る 道におののく 達令…

ハーベン、トラ―ゲン、ベジッツェン

ハンカチ王子斎藤佑樹投手はよく「何かを持ってる」と言われたという。甲子園でのドラマチックな戦果をみれば、“ 強運 ”を持っている、といって差し支えないだろう。強運は甲子園から神宮の大学野球まで持ち継がれた。 斎藤選手のプロ最後のマウンドはフォア…

戦友

楽天の田中将大投手の座右の銘は「気持ち」という。左の掌が当たる部分に「気持ち」と刺繍されたグローブが、田中将大モデルとして売られている。「気持ち」と書かれたサインボールもある。どんな時にも気持ちでは後れを取らない、気の持ちようでは負けない…

スパン違えば・・

感染者の数字をみるとコロナは終息に向かっている。少なくとも低水準で落ち着いている。コロナウィルスの次の戦略が気になる。冬の訪れとともに、反撃の大攻勢に出てこなければよいのだが。 さて今、母なる地球 Mother earthにもしインタビューしたなら、「…

ダブルオーの血脈

次作の007ジャームズ・ボンドは女性になるだろう。「ノータイム・ツゥ・ダイ」でお目見えした娘さんへの " 古名跡 " 引き渡しまでのショートリリーフか。とまれ歴代ボンドの売りポイントと次代女性ボンドへの期待を整理してみた。 ショーン・コネリー:丸出…

最後のダブルオー、ボンドの最期

ダニエル・クレイグ最後の007「ノー・タイム・トゥ・ダイ」をみて詰まらなかった。ダニエル7の中で一、二本の不出来と思う。007映画の良さがなく、ミッション・インポッシブルの面白さにも欠けていた。脚本と監督の責任と思う。 前も書いたが、かつての007映…

合う相性、作る相性

絵画に関わっていていつも思うのは、交換や借り物の「額」が “ 合う ” という事の少なさである。 6号のような在り来たりのサイズでも多くがが合わない。たまたま合っても、雰囲気や時代が合わない。 額縁以外の、桐箱、差し箱、被せ箱、黄袋、アクリルでも…

子売 (ザ・マイ) 定食

近頃のわが家の夕飯メニューは、ギョーザの登場機会が減って、シュウマイが多い。餃子恋しさから、両者を比較してみた。 ギョウザ (餃 子) : 焼く 月型 野生的 油 スタミナ目的 ビール 男性的 シュウマイ (焼 売) : 蒸す 太陽型 文化的 湯 滋養目的 飲茶 …

歴史の意思

渋沢栄一は次のお札の顔で、大河の主人公である。 渋沢栄一がもしなければ、明治の多くの事業が今日なかった、と言われる。 はてな ? 歴史がぽっかり口をかけて待ち受けている。 渋沢でなくとも誰かが埋めた、そう思う。

無法の飛沫

映画「無法松の一生」で、海が写されるシーンは小倉太鼓を打ち終わった後の一回だけである。 画面は、荒波のしぶきが気性と境涯との激しさを想起させる。 玄界灘付近の映画でありながら一度だけの画像によって、謙抑の最大効果を表して見事である。板妻版の…

青いハンカチ

ハンカチ王子 斎藤佑樹は勝負に強かった。 仲間だけでなく強運を持っていた。 1988年6月6日生まれ33歳、現背番号1。 一からの再スタートに、弾みはついている。

カズオと春樹の虚点

小説には虚点がいる。虚点のない小説は眼の入らないダルマ・・。 そんなことを言ったのは私小説家の車谷長吉だった。カズオ・イシグロの虚点は俯瞰的に人間の宿命を晒け出している。さながら神の眼のようである。 村上春樹の虚点は、隣人と過去をして囁かせ…

理論と実験、理論と現実

日本人のノーベル賞受賞で、一番多いのが物理学賞の9人。そこにアメリカ国籍の南部陽一郎、中村修二、そして今回受賞の真鍋淑郎先生を加えれば総勢12人になる。日本は物理大国と言っていい。 物理には、理論物理と実験物理の二ジャンルがあって、車の両輪と…

名誉なり・・

昨日書いた民法浦川道太郎ゼミ。その後、ニ三、思い出したことがある。 浦川教授のドイツ留学先のゲッティンゲン大学は、大学しかないような街で、勉学に集中できたという。グリム兄弟で知られた大学だが、グリムの話はなく、主にビールとソーセージの話をさ…

不法行為ゼミ

岸田新総理が早大法卒ということは承知していたが、総理指名でウィキペディアをみて、ゼミまで同じとわかって驚いた。民法不法行為 浦川道太郎ゼミ。一年上だから面識はない。 担当の浦川教授はドイツ留学帰りの新鋭、というか坊ちゃん坊ちゃんした先生で、…

ヒデキぃ~と共に去りぬ

西城秀樹はさして二枚目とは思えないが、体のスケールと声の色気が出色である。声質には “ 砂っ気 ” がある。砂のザラザラ感が、部活のグランドを思わせる。甘酸っぱい運動着の匂いも連想させて聞かせる。“ 花 ” がある。 テレビで西城秀樹の回顧番組をみて…

時代に乗って・・

閑長はウルトラマン世代で、仮面ライダーはすれ違った程度で、ライダーなら「ワイルドセブン」の年代に近い。さて、仮面ライダーの歴史がテレビ放送されていて、同史は結局、仮想敵と仮想正義、そして自己の内的イメージを創り出し、格闘する歴史だったと感…

統合、表裏一体、弁証法

イギリスの詩人にして画家 ウィリアム・ブレイクは、18世紀から19世紀にかけて、さして目立たず活動した。死後もさほど脚光を浴びることは無かった。 彼の中心思想は、天国と地獄、精神と肉体、理性と情動、そして善と悪の一体視であろう。 夫々が分離しては…