勝負事
羽生九段と藤井五冠がタイトル戦を対局中である。 将棋ファンならば両者全盛期の対局を観たかったと思うだろう。 藤井は相手の全盛期に対局したかったと思うに違いない。 羽生は自身の全盛期に対局したかったと思うだろうか。
昨夜のワールドカップは6点の見せ場があった。 けれとも得点王のゴール数からPKは除外すべきでは、と思う。 PKの8割の成功率、キッカーの選出を考慮すれば穏当な裁定と思う。 得点王は獲得点のカウントで決めてほしい。
突然変異に思える。幸運をベルトにした王者にみえる。 計画的で抑制的、試合をプランして、プラン通りのエンディングを演出する。 こんなチャンピオンに心当りがない。 世界バンタム級四階級統一王者の井上尚弥である。けれども、ボクサー稼業にはガッツと不…
エデル・ジョフレは二か月前に物故していた。 丁度、統一王者井上尚弥が対戦決定の会見をしたころだった。 バトンは引き継がれた。
井上尚弥選手の強さが際立った。が、硬い感じがした。 つまり直線的なイメージが残った。 エデル・ジョフレと対戦させてみたいと思った。 弧を描くようなアッパーをどう繰り出し、どう躱すのか。 ジョフレ氏、ご存命なので感想を聞いてみたい。
日本の「ボクシングの日」は5月19日である。白井義男がハワイ系米人ダド・マリノを降して王座に就いた日が指定されている。この対戦、白井優勢が伝えられる中、ダド・マリノ側が提示された好条件に釣られて決まったカードらしい。 結果は15回判定の勝利とな…
身体(からだ)が接し、単独対戦で、随意的な(つまり思い通りに動かせる)勝負は、大概、強い方が勝つ。 例えば囲碁、将棋、スポーツでは柔道、レスリングか・・。身体から離れ、複数対戦で、道具を使う勝負は番狂わせが起こり得る。 馬術、卓球、団体競技、そ…
ハリウッド流のアトラクションの影響か、相撲の「物言い」に「“ 体 ”が残っているか」という判定基準が減り、「先に着いたかどうか」ばかりが横行しているように思える。 古来、相撲は日下開山同士による文字通り命をかけての勝負であった。死に体であっては…
ここ数日の柔道談義をまとめると表題のとおりとなる。
柔道界はJUDO対やわらの局面を迎えている、と思う。 やわらの勝負に徹したら全階級優勝も夢ではない。そうすると競技柔道は世界から干され、逆鎖国、“ 国”八部に陥ってしまう。類似の他競技のエッセンスを汲み上げつつ、競技としての面白さと見所を拡げるた…
柔道を柔術、つまり“ 殺し合い ”とすれば、引き分けは引き分けで、攻勢、守勢判断の優勢勝ちはあり得ないだろう。 戦国の城攻めで、落城できなかったら勝負はつかないのであり、攻め手の優勢勝ちとはいわないのだから・・
決勝戦が強さの勝負とすれば、ベスト8は個性のぶつかり合いだろう。だから面白い。 高校野球の話である。 ベスト4はと聞かれれば、決勝前の運試しだろうか。
なぜ“ 成金 ”であって“成銀 ”ではないのか。 攻守にバランスの取れた「銀」では、勝負の妙味が損なわれるためか。 閑長は、前進主体の「金」に成らせることで、 壮絶な討ち死を促すルールにしたのでは・・、と勝手に想像している。
以前も投稿したが、敗れて魅力が増した最大のヒーローは「あしたのジョー」の矢吹丈だろう。主要な相手全てに敗北を喫して、それがかえってドラマになっている。 ジョーは、自分の限界によって相手の魅力を描いている。だから敗戦に必然性と悲劇性が帯びて来…
映画でポーカーの勝負をしているシーンを観て、双方同じ手、ワンペアならワンペア同志になる確率を想像した。 ポーカーの役全てを計算し尽くす根気がないので、ワンペアの場合だけ計算すると、自信はないのだが、およそ6%弱、細かく計算すると5.769%程と思う…
昨日も書いたけれども北京五輪女子カーリングの最後の一戦、時の神は相手チーム英国に微笑んだ。 勝負とユエイは、糾える縄に喩えられていい。前回五輪の銅メダルが、今回は銀色に輝いたのだから。
ゆえい、(輸贏)という字は大昔、刑法を勉強していて知った。 勝ち負けのことで、「輸」が「負け」、「贏」が「勝ち」を意味するという。 元々は中国唐代の漢詩に由来するらしい。 偶然ノ輸贏ニ関シ財物ヲ以テ博戯又ハ賭事ヲ為シタル者ハ・・ (改正前刑法185…
麻雀をしなくなって30年以上になる。 偶々麻雀番組を観てい、ドラ牌を扱う場面で、”ハテ、ドラって裏返って見えている牌だったか、それとも次の牌だったか”と自信がもてなくなった。情けない・・。 ウキペディアで調べて直ぐに正解は次位牌、つまり次に続く…
勝って輝く王者がいる。 敗れても色褪せない王者もいる。 氷を賞賛しても、責めて欲しくはなかった。 氷穴を確認するなど、実にみっともない。 カリスマ王者なのだから。 明日のフリーでは、魅せる滑りを遺してほしい。
郷里の関取御嶽海が千秋楽の一番で横綱を破って優勝と大関昇進を決めた。ご同慶の至りである。 もしこの一番で負けていたなら三人の力士による三つ巴戦になって、平幕優勝もあり得た。相撲界のヒララルキーは、「相撲番付の上のものほど強い」を前提としつつ…
昨日の大相撲の取組みで長野出身の御嶽海の一番で物言いが付き「同体・取り直し」となった。 この物言いにも、そして判定にも同感・納得であるが、大相撲の物言い全般に物言いを致したい。 “同体とみて取り直し”の基準が統一されていない。 今場所、“同体と…
一昨日の話。 王将戦初戦の印象を渡辺王将は「秒読みだったので、分からなかった」と振り返った。挑戦者で初戦を制した藤井四冠の感想は「ミスもあったが、際どく詰んでいると思った」だった。定石を外して混戦になればなる程、有利になる棋士が勝利を引き寄…
ネットで将棋の渡辺-藤井の王将戦第一戦の41手目が話題となっている。藤井挑戦者の▲8六歩があまりに意外で、渡辺王将が91分も長考したというのである。ネットには続けて、もし若手がこの手を指したなら、直ちに破門になりかねない悪手、とプロ棋士がコメン…
テレビ番組で将棋の藤井四冠が、「対戦相手に手を読み切られないよう、なるべく局面を複雑に保つようにしている」と語っていた。近頃の竜王戦を扱った番組だった。聞いていて閑長は数学の「複雑系」を思い描いた、「複雑系」とは、部分を観ただけでは特定の…
プロ野球日本ハムの新庄新監督は「かっこいい」をチームのスローガンにしている。新時代的と思う。打って、取って、勝ってカッコよければ良いし、例え負けてもカッコよければプロである。 俳優の児玉清が、「あの人に会いたい」という番組で、“ 美しく負けれ…
昨夜、JT杯を逃した藤井四冠は、更に強くなる余地を残した。 豊島九段も気を吐いて、本年の藤井戦をしめ括った。 無敵は終着も意味する。戦い続けるには敵が必要なのだ。
大谷翔平の二刀流での活躍と藤井聡太の四冠達成は、コロナの閉塞感を晴らしてくれた。 大谷選手は賞の受賞よりも「大谷賞」の創設の方が相応しく、藤井棋士にはワールドリーグへの地歩作りを望みたい。このことは既に書いた。 お二人とも、斯業をなによりも…
封じ手は、二日に亘る将棋や囲碁の対局で、中断時に有利不利がでないよう、翌日の手をあらかじめ決めておくことをいう。閑長には、「封じる側」に有利と思うという事は、前に書いた。自手を相手に明かさずに、相手の受け手と戦局を一晩ゆっくり予想・分析で…
藤井3冠が竜王戦に3連勝して、タイトル奪取に王手とした。業界人やマスコミは、「すわ4冠、8冠独占か・・?」と色めき立ったが、今の藤井三冠には、4冠はおろか8冠もいかにも小さな、箱庭的な目標に思えてします。もし8冠を取ったら、次はどうするん…
封じ手の定義は「対局の中断時に有利不利がでないよう、次の手をあらかじめ決めておくこと」という。よく使われるのは囲碁や将棋で、翌日開封して、勝負は再び続けられる。持ち時間中に中断すれば、持ち時間が盛られることになってしまうから、公平を期して…