ボクシング
同じバンタム級の名王者同士の対戦、 前哨戦たる舌戦と メディアの予想合戦 辰吉丈一郎の敗けっぷりを観てみたい。
辰吉丈一郎はボクシング映画「ロッキー」を“ すり切れるほど、観た ”と語っていた。 井上尚弥は反対に“ ほとんど観ない、観ていない ”と語っている。同じバンタム級の名王者、 両者の対戦は、夢で観戦するしかないか・・。
井上尚弥のボクシングはアートである。 能楽、狂言、バレエのように。 フルマン戦を再度、詳細に観戦してそう思った。
「名チャンピオン同士の対戦は、 階級が上の選手が勝つ」カルロス・モンソンVSホセ・ナポレス以来、 そう言われ続けたボクシング界で、 井上尚弥以降は、こう言い換えられる予感がする。「階級が勝敗を決するのは、 同レベルのチャンプ同士の場合である」
モハメド・アリがボクサー生涯で浴びたパンチは20万発という。 綺麗なパラには棘がある、というけれど、 蜂のように刺す蝶々はまた、たくさんの疵を負いながら舞っていたのである。
非力、ライトブロー昨夜の井岡一翔の統一戦は、ラッキーなドローだった。 マジョリティードローとは、能くも名付けたものだ。 ドローを「優劣ナシ」でなく「分け」とジャッヂする立場だろう。其れは其れで是し。 しかし、井岡の非力感は如何ともしがたい。 …
昔は”クレバーなボクサー”と言っていたけど、今は「ボクシングIQ」という言葉があるらしい。ボクシングの統一王者戦のインタビューでよく耳にした。 クレバーでもIQでも、秀でているのはモハメド・アリとシュガー・レイ・レナードと思う。相手に応じたボクシ…
突然変異に思える。幸運をベルトにした王者にみえる。 計画的で抑制的、試合をプランして、プラン通りのエンディングを演出する。 こんなチャンピオンに心当りがない。 世界バンタム級四階級統一王者の井上尚弥である。けれども、ボクサー稼業にはガッツと不…
エデル・ジョフレは二か月前に物故していた。 丁度、統一王者井上尚弥が対戦決定の会見をしたころだった。 バトンは引き継がれた。
井上尚弥選手の強さが際立った。が、硬い感じがした。 つまり直線的なイメージが残った。 エデル・ジョフレと対戦させてみたいと思った。 弧を描くようなアッパーをどう繰り出し、どう躱すのか。 ジョフレ氏、ご存命なので感想を聞いてみたい。
日本の「ボクシングの日」は5月19日である。白井義男がハワイ系米人ダド・マリノを降して王座に就いた日が指定されている。この対戦、白井優勢が伝えられる中、ダド・マリノ側が提示された好条件に釣られて決まったカードらしい。 結果は15回判定の勝利とな…
二コリノ・ローチェを知っている人は相当なボクシング・ファンと思う。来日試合で藤猛を沈め、スーパーライト級 のチャンピオンの座に就いたアルゼンチンのボクサーである。 その二コリノ・ローチェはデトロイト・スタイルがよく似合った。デトロイト・スタ…
矢吹丈のラストファイト、ホセ・メンドーサ戦は過去の対戦相手のウルフ金串やカルロス・リベラも感染に来ていた。 コマにはないが、ジョーの双生児ともいえる力石徹が来ていないはずがない。 試合後のジョーもホセも呆けた死人のように描かれているのはその…
どうしてこんな小説を書いてくれたのだ! そう言いたくなる一篇だった。武者小路の青春小説を想った。 長編にもO.ヘンリーの切れ味があった。 ボクシングは将棋と同じと気付いた。残り少なき身に「Box!」と嗾けたくなった。
矢吹丈はバンタム級に拘った。それは多分に同級の語感に由来すると思う。フェザーにポエジー感は乏しく、ライトでは現実感が強すぎる。ウェルターは良いのだが、ジョーの悪ガキ性が減殺される。 丈は、体格ならばライト、ウェルターのところ、己の孤塁を守っ…
久々、ほぼ10年振りくらいに映画「ロッキー」を視聴して、良く出来ているのに驚いた。ただのエンスー映画でなく、 アトラクショムービーンでもなく、省略どころ、荒れ処、ヨコ揺れをかまして、ブレない柱を際立たせている。つまり、抑制が効いたザラザラした…
映画「ロッキー」で使用されているグラブは、Ⅰがカサノバで、Ⅱはレイジェスである。どちらもイタリア製のナックル部分が極端に薄い、男のグラブである。名画は小道具にも味がある。 しかし、それぞれのグラブを選ぶのは誰なのだろう。スタローンか、プロデュ…
ウィルフレド・ベニテスといっても知っているのは余程のボクシングファン、それもオールドファンだろう。 史上最年少の17歳6か月でチャンピオンになった。下した相手はボクシングに申し子のようなアントニオ・セルバンテスだった。 そのベニテスが超特急シュ…
ボクシングの構えには名前がある。ボクシング・ファンなのに最近になって知った。 スタンダード・ガードはオーソドックスな構え。 ピーカーブー・スタイルは赤ん坊をあやす恰好。 フロイド・パターソンの構えが典型的。 閑長の好みはデトロイト・スタイル。 …
昨日の続きである。 使用グローブから想像するボクサーを70~80年代の名選手、好敵手から挙げてみたい。 ウィニングスは、モハメド・アリ、シュガー・レイ・レナード。 レイジェスは、ジョー・フレイジャー、ロベルト・デュラン。 エバーラストは、ジョージ…
ボクシンググローブにもお国柄がある。 日本製のウィニングは堅牢で安全、耐久性も高い。メキシコ製のレイジェスは、打撃力以外の全てを犠牲にした印象。アメリカ製のエバーラストは両者の中間。 どのグローブを選ぶかで、ボクサーのタイプが判る。
あしたのジョーこと矢吹丈は、ボクシングの対戦で主要なライバルのすべてに敗れている。力士徹、カーロス・リベラそして最後の試合、ホセ・メンドーサ。 それでもマンガも主人公も人気絶大な理由は、試合の都度、ジョーが完全燃焼していること、負けても“ あ…
昨夜の村田-ゴロフキン戦は、前座が長く開始が宵の入りになって閉口した。試合は名勝負といいうる内容だった。 前座試合とメインイベントを見比べて、一流ボクサーと並のボクサーの違いは、打たれ強さの差と思った。パンチ力が弱くてはボクサーになれないが…
ボクシングではダウンしたまま10カウントを数えられるとKO負けとなる。10カウント以内に立ち上がるだけでは不十分で、ファイテング・ポーズ、つまりボクシングの構えを取る必要がある。 日本ボクシング往年の名選手ピストン堀口の死因は、轢死である。酔っ…
閑長がオールドボクシングのファンであることは以前にも投稿した。その折、ウェルター級タイトルマッチの、シュガーレイ・レナードVS ロベルト・デュランの一戦を、黒豹とジャガーの闘いに譬えた。両獣とも、出身大陸の肉食野生動物の雄だからである。 今は…
ルぺ・ピントール、カルロス・サラテ、ウィルフェルド・ゴメス、サルバドール・サンチェス ボクサー名と気付いた人はボクシング通である。 さらに、それぞれ並び合った選手同士が対戦し、左から右サイドにタイトル移動していることに気付いた人は、かなりの…