miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

きんつば浪士

信州飯田に数年住んだ経験でいうと、花火とお菓子は飯田の名物である。 夏の夜空は、花火が盛大に彩る。 当地のきんつばは、金鍔を模して丸形をしている。 少し前にテレビ番組で「和菓子」を流してい、食べ比べの記憶が蘇った。いとうやさん 金鍔 皮薄い 色…

幻想の日本美術館巡り

西洋美術館に続けて国内美術館の場合。 一日だったら、大原美術館 一週間だったら、足立美術館 一か月だったら、大川美術館と梅野記念絵画館と宮城県立美術館。途中ホキ美術館を経由。 国内の所要旅行時間を含めた時間。大原美術館と梅野記念絵画館以外は耳…

この役、この役者ありて・・

昨日に引き続き「荒野の七人」である。 ジェームズ・コバーン演ずるブリットは原作「七人の侍」の久蔵に最も近い役柄という。メイクキングビデオでは、この役に「抜擢」されて喜ぶ映像が収録されているが、コバーンの存在は本作において、当り役以上に嵌り役…

マックイーンとブリンナー

映画「荒野の七人」で、ユル・ブリンナーの相棒として出演していながら、そのプリンナーを食ったマックイーンの演技がちょいちょい取り沙汰される。ピカイチは冒頭の霊柩馬車を運ぶシーン。散弾銃に弾を込める時、耳元で弾が湿気っていないか弾の音を確認し…

でっかいお姉さん、子供の目線

シャルダンの「買い物帰りの女中」を、画集で初めて観た印象は「でっかいお姉さんだなぁ」だった。特に下半身がデカイく、スカートがやけに巨大に思えた。本画は高だか長辺47㎝の8号大の作品である。 以来、この小学生の頃の第一印象を長く引き摺って来たの…

幻想の西洋美術館巡り

一日だったら、ブレラ絵画館かコンデ美術館 一週間だったら、ロンドン・ナショナル・ギャラリーかニューヨーク近代美術館 一か月だったら、メトロポリタン美術館 名立たる世界の美術館。すべて書物での知識。

落葉の在庫

晩秋となって、落葉拾いが毎夕の日課になっている。 この季節は拾っても拾っても、振り返るともう落葉が貯まっている。 落葉拾いは地面と枝の両方を見ないといけない、近頃はそう思うようになった。 葉っぱの残り在庫が肝腎なのである。 余生に似てるなと思…

ファスト番組みたいな・・

カミさんに付き合って朝ドラの「カムカムエブリバディ」を観ていると、小気味よいテンポで嬉しくなる。 ひとつ前の朝ドラが、場面や感情吐露のたびに、役者さんが見つめ合っては時間が止まってしまい、当の役者さんとNHKさんには悪いけれども、「15分番組…

無敵 好敵 求敵

昨夜、JT杯を逃した藤井四冠は、更に強くなる余地を残した。 豊島九段も気を吐いて、本年の藤井戦をしめ括った。 無敵は終着も意味する。戦い続けるには敵が必要なのだ。

You are mine.

映画「トップガン」のラスト、アイスマンのセリフについては、既に書いたと思って検索したけれども見当たらなかった。昨夜、久々再放映され、公開から35年を閲してほぼ会心の翻訳だったので、是非書き止めたくなった。 ミグ戦闘機四機を撃墜して、僚機を助け…

好きこそ偉業の

大谷翔平の二刀流での活躍と藤井聡太の四冠達成は、コロナの閉塞感を晴らしてくれた。 大谷選手は賞の受賞よりも「大谷賞」の創設の方が相応しく、藤井棋士にはワールドリーグへの地歩作りを望みたい。このことは既に書いた。 お二人とも、斯業をなによりも…

青い空、茶の大地

シュールの前衛画家といわれる古沢岩美は、「日本のダリ」と称されたという。偶々観ていた古沢岩美のエッセイ集に書いてあった。画題とモチーフ、それにド肝を抜く描きっぷりが似ているという。 「日本のダリ」といえば、岸田劉生の「道路と土手と塀」(切通…

絵画と時間

社会学者のゲオルグ・ジンメルは、廃墟を“人間と自然との合作”と言ったらしい。テレビで観た放送大学の受け売りである。 ジンメルの顰に倣えば、額装の絵画は画家と額職人との合作と言えるのかもしれない。 「ひととき」は態々Worn-outした額と交換して、“ …

ファストかフィストか

ファスト映画の制作者が著作権法違反で有罪判決を受けたが、「ファスト」自体は令和・21世紀の方向だと思う。著作権者自身がファスト版を作って提供すれば良いではないか。盗用ではなく、強制でもなく視聴者がオリジナルとファストを選択できるシステムの事…

政策のお勘定は・・

経済対策も少子化対策、エネルギー対策も、全て国の施策には財政の支出が前提になるが、お金を使う以上、一定の効果は上がって当然である。その効果の理想的な現れ方は税収が増える事以下にない。税収増に直結しない、つまり税収の減少幅が減るとか歳出が減…

フリーア、全集、舞台裏

アメリカのフリーア美術館は東洋美術の名品で知られている。閑長がフリーア美術館が好きなのは、名品は名品でも、第一級の作品以外の、基準作以外の名品も収蔵されているところである。準一級の名品に出会えるのである。 読書でよく「全集を読め」という。小…

キャバス、本紙の裏っ側

美術評論家安井収蔵の著作を読んで、以前読んだ黒川博行の「蒼煌」を思い出した。芸術院会員選の人間模様を描いている。絵画でも音楽でも芸能でも、絶対的な基準のない世界は、忖度や気配り、追従と迎合と無縁ではないのだろう。それが行き過ぎることもない…

封じ手の時間:再考

封じ手は、二日に亘る将棋や囲碁の対局で、中断時に有利不利がでないよう、翌日の手をあらかじめ決めておくことをいう。閑長には、「封じる側」に有利と思うという事は、前に書いた。自手を相手に明かさずに、相手の受け手と戦局を一晩ゆっくり予想・分析で…

濃い髪と血

「ボヴァリー夫人」と「アンナ・カレー二ナ」は、どちらも女主人公の悲劇的な死で幕を閉じる。どちらがより名作であるかは、嗜好の問題になると思う。文章・文体フレークは前者を、プロット好みは後者を贔屓にするように思う。 今日は、「アンナ・カレー二ナ…

インデックスとコンテンツ

少し前、読売新聞主筆の渡邉恒雄による昭和の回顧番組が放送されて楽しめた。中で渡邉は、若いころ読んだカントの有名な言葉を諳んじていた。番組とは直接関係のないシーンなのだが、驚いたのは、その言葉が書かれている箇所を、実に正確に上げてみせたこと…

その玉や 羽黒にかえる 法の月

「開運なんでも鑑定団」の再放送で、芭蕉の真筆書簡が出品され、鑑定額は八百万円だった。 興味を引いたのは金額よりも文面で、掲出句の「其の玉」の筆跡が「無き玉」と紛らわしく、門人からのどちらか、との問合せに芭蕉自身が応える内容だった。 芭蕉の返…

成し遂げられし・・

絵そのものではなく、展覧会のサブタイトルを誉めるのは、文学だったら電車の中刷り広告か帯のキャッチを誉めるようなものだろう。それを知りつつ、作家さんの叱責覚悟で、梅野記念絵画館で開催中の保科豊巳展のサブタイトル「 - 出来事としての絵画 - 」は…

巨人哀・・

昨夜、巨人が阪神に勝ってファイナルステージに進出した。 テレビを観ていて直ぐにチャンネルを変えた。 閑長は、平均レベルのアンチジャイアンツである。三十年位前までは平均以下の巨人ファンだった。 転機になったのは、平成10年か11年だった。 開幕戦当…

裏命題の重さ

我が家の庭で、かまきりの卵が産み付けられた場所が地面に近く、低い場所だった昨年、“ カマキリ占い ”が当たって、降雪は極端に少なかった。“ カマキリ占い ” とは、かまきりは豪雪ならば高所に卵を産み、低所に産むときは雪が少ない、そんな民間伝承である…

「不〇の不〇」

「射」を描いて三日目になる。 詩文、散文、映画では「不射の不射」は珍しくないのかもしれない。 けれども、弓の場合と違って、後の方の「不射」の有無はどう判別するのだろうか。

音楽の「不射の不射」

絵画の場合の「不射の不射」は、答えが出なかった。音楽の場合は素晴らしいお手本があった。 「聞こえる音楽は美しい。聞こえない音楽はもっと甘美である」 ジョン・キーツ芸道というより感性の深奥を覗く思いがする。 廻り回って、音楽の「射の射」が喚び起…

不射の不射 不描の不描

中島敦の「名人」は高校生の時に初めて読んで、その後、何度も読み返している。 天下第一の弓の名人になろうと邯鄲に住む紀昌が、名手・飛衛に入門する。 五年余の難しい修行のすえに奥義秘伝を習得する。 腕に自信を持った紀昌は、師の飛衛を殺そうとして失…

フライング・タンクにダイヤゴナル・ウィポン、        ジャンピング・マスタング、セント・スピア

藤井3冠が竜王戦に3連勝して、タイトル奪取に王手とした。業界人やマスコミは、「すわ4冠、8冠独占か・・?」と色めき立ったが、今の藤井三冠には、4冠はおろか8冠もいかにも小さな、箱庭的な目標に思えてします。もし8冠を取ったら、次はどうするん…

強い一票、弱い一票

比例復活する議員には、意外性が付きまとう。 政見、実績、期待度、人物等々で対立候補に一度は敗北した当人だからである。 比例復活という形ではなく、小選挙区で当選した同党の別の議員の議員持ち分を上げてはどうか。 最高裁判事の国民審査とまでは言わな…

菱形に配して・・

荒このみ著「風と共に去りぬ -アメリカン サーガの光と影」は久々に文学の面白さを実感させてくれる一書だった。 マーガレットとレットのすれ違いのみならず、アシュレー、メラニーを加えた四つ巴えのすれ違いを、メンタルとフィジカルの二線で想像させてく…