miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

哲学思想

止揚と揚棄

両方ともヘーゲル「アウフヘーベン」の訳語である。 以前は止揚が主流。 近頃は揚棄が盛り返し。 「揚」が " auf “の意か。 漢字的には揚棄に軍配か。 揚去、揚超もありか・・

体験と思索と批判

梅原猛の文人批判が滅法、面白い。 三島由紀夫批判、同感。 丸山真男批判、全く同感、よくぞ言ってくれました。 小林秀雄批判、はてな、そうかな? 小林への刃は、ベルグソンにも当てはまろう。 お二人とも、そういう流儀とスタイルで思考しているのであって…

道元の時、ベルグソンの時

哲学者梅原猛が道元の「正法眼蔵」を日本最高の哲学書と言ってい、影響されて若い頃に読んだ。 どえらく難しいところと日常生活のガイドラインを書いた随分砕けたところがあって、面食らった記憶がある。 なかに「有時」という章があって、山に登り川を渡る…

統合、表裏一体、弁証法

イギリスの詩人にして画家 ウィリアム・ブレイクは、18世紀から19世紀にかけて、さして目立たず活動した。死後もさほど脚光を浴びることは無かった。 彼の中心思想は、天国と地獄、精神と肉体、理性と情動、そして善と悪の一体視であろう。 夫々が分離しては…

地獄、それは・・

サルトルの言葉と記憶していたのが、「地獄とは他人だ」と「他人とは地獄だ」のサテどちらだったか・・。 ネットで調べたら前者だった。出典は主著の一つ「存在と無」という。 人は、自分の価値や存在が、常に他人の目に晒され、判定されている。サルトルは…

無の筈なのに

西田哲学で一番知られた述語は「無」であろう。 しかし、この「無」が随分とあちこちに出張ってきては取り仕切る。 そのうえ西田は「絶対無」などという無のヒエラルキーまで担ぎ出す。 柳宗悦の「民藝」がいつしかピカピカに格上げになった状況を思わせる。…

寸感

ある著名なドイツの思想家が、20世紀の真の哲学者はハイデッガーと西田幾多郎だけだと言ったらしい。詳細は失念したが、読んでどちらもハイデッガー語と西田語で書かれているところは共通と思った。 さて今日は西田哲学である。敬愛する論理学者 末木剛博は…

そんざいとぞんざい

令和の今はどうか知らないが、30年くらい前まで、20世紀最大の哲学者はハイデガーで、最高の哲学書といえば「存在と時間」だった。これは多分に、大戦後の気運と風潮を映じた著作であり、評価だったと思う。閑長の管見である。 さて、「存在と・・」で始まる…

オタマジャクシの効用

カントの音楽嫌いとニーチェの音楽好きは結構よく知られたエピソードと思う。イマニュエル・カントは隣家のピアノが煩くて引っ越しした。ニーチェは自ら作曲するほどだった。 今、音楽の色眼鏡で二人の哲学著作を眺めると、「純粋理性批判」はくどくどしい念…

如是 恁麼 異没

毎朝、健康維持のためウォーキングをしている。負荷のため坂道ダッシュを三本組み込んでいるが、坂を上り終わった丘の上の教会に、マタイ11章28節が掲示されている。「凡て勞する者 重荷を負ふ者、われに來れ。われ汝らを休ません」という一文である。 今朝…