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閑長のひとり言

閑長のひとり言

寸感

 ある著名なドイツの思想家が、20世紀の真の哲学者はハイデッガー西田幾多郎だけだと言ったらしい。詳細は失念したが、読んでどちらもハイデッガー語と西田語で書かれているところは共通と思った。
 さて今日は西田哲学である。敬愛する論理学者 末木剛博は、浩瀚な西田論の結びで西田哲学は自覚の大系と言っている。仄かにわかる気がする。素人の閑長が管見を承知で付け加えたいのは、西田哲学は相反する又は無縁なモノやコトを、少々無茶に組み合わせて自論の基礎としている点である。「純粋経験」、「行為的直観」、「絶対矛盾的自己同一」等々。さしずめ「自由」“民主”党の思想的先駈けである。
 そんな西田の述語の中で『働くものから見るものへ』にいう「場所」は、プレーンで潔く、「場所」をもって “ 述語 ” であり “ 土台 ” としているところは共感もするのだが、「有の場所が真の無の場所云々」とか「色を視るとは色自身の内面的発展」等々の記述をみると、西田哲学はやはり、「循環的同義反復」だなぁと苦笑しつつもホっとする。

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