miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

物理数学

美貌と異能、その血脈と系譜。

マックス・ボルンは、自身がノーベル物理学賞を受賞した科学者だが、絹づれのような歌声のオリビア・ニュートン・ジョンの祖父と知って、吃驚した。声質までは分からないが、美男美女の家系と思った。 ヴェルナー・ハイゼンベルク、ジョン・フォン・ノイマン…

無限の表情

無限・・という数は有限の尺度で考えるとイメージがつかない。 カウントできる「数」としてではなく、熱とか、天気とかと捉えた方が近い。 始まりを考えると、間違えやすい。 始まりも無く、だから終りも無い、 量というより状態に親しい。無限をわかり易く…

猫扉

ニュートンは人間用の扉の他に、飼っていたネコのためにネコサイズの出入口を造ったとされる。 このエピソード、 普通、ニュートンの超常識性や社会適応性の欠如の例として挙げられる。 けれども、真に猫の心理と生理を考慮した対応なのでは、と思えてくる。…

ダースの遺伝子

一ダースが12となったのは、分割のし易さ、つまり争いなくモノを分けられるからだからだという。 なぜなら12は6の二倍だから・・ 一時間が60分になったのは、これも割し易いから。2、3、4、5、6で割り切れる。 6及びその倍数の兄弟たちは、分割容易性と…

速度と時間、そしてキョリ

人生の第四コーナーを回ると、あとどれ位の本が読めるか気になってくる。多読するには速読しなければならず、 以前どこかで読んだ「観念の急流に乗れ」を実践しているのだが、やはり消化が悪い。「遅読のすすめ」の教えを思い出してしまう。 小林秀雄がベル…

確からしさの前提状況

深夜、宮崎県で震度5弱の地震が起きた。スマホで宮の字をみて宮城県を連想してしまったが、はるか南方だった。 日本人の二人に一人はガンに罹るといわれるが、二人に一人は罹らない。 地震の発生確率が報道されているが、70%の確率として30%は発生しないと言…

別個の数学、別個の物理

ABC予想の望月新一教授による証明法は、全く別の新しい数学世界を仮想するほど独創的という。勿論その詳細は閑長の手には負えない。 だがしかし、実験ではなく数学的な“ 都合 ”に基づく、例えば素粒子物理における超ひも理論のような予想は、根拠とする数…

お一人様なら・・

時間や角度は60進法だが、それは「60」という数字が、割り切りやすいからだとされる。 確かに2、3、4、5、6 と、五つもの数で割り切れるというのは便利である。 けれども所詮、割る、分けるなどは他人様との関係の話で、一人、二人であれば、割り切れやすさ…

スピロヘータの貌

超ひも理論は、素粒子物理学における数学の限界が作り出した産物である。 計算上“ 0 ”が出て来てしまうので、次元を増やしてみた・・、という。 もっと物理チックに考えければ、モノの始原の形態として、直観的に、実に相応しいと思われる。 超ひも理論に共…

残りしものは・・

東大宇宙研究機構のトップを務める村山斉に「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」という著作があって、一読し、架蔵もしているのだけれど、書名の問いは、閑長には " 問うまでもない " ように感じる。つまり、上手くできなかった宇宙も沢山あったが、…

自覚の哲学、数学の自覚

京都大学の望月新一教授は、難攻不落の「ABC予想」を自身が開発した「宇宙際タイヒミュラー理論」によって証明した。「宇宙際タイヒミュラー理論」のエッセンスは「同じものでもあり異なるものでもある」という。 けれども数学者の間では、「宇宙際タイヒミ…

"対称"だって美しい

数学史に詳しい訳ではないが、19世紀初頭の天才数学者ガロアの最大の功績は、近現代思想に“対称性”の概念をもたらした事、と思う。 ガロアは、一般に方程式が代数的な解を持ちうる性格についての解答を示したに留まらず、数学界に、共通する構造を見出す取り…

理論と実験、理論と現実

日本人のノーベル賞受賞で、一番多いのが物理学賞の9人。そこにアメリカ国籍の南部陽一郎、中村修二、そして今回受賞の真鍋淑郎先生を加えれば総勢12人になる。日本は物理大国と言っていい。 物理には、理論物理と実験物理の二ジャンルがあって、車の両輪と…

カンマと小数点

“小数点”が打たれる位置、その有るナシは、数字としての大小に大きくかかわるが、“カンマ”は有ってもなくても数字の大小には別段関係がない。小数点は数学記号だが、カンマは文化記号といえる。丸い小点に“跳ね”のあるなしで、意味は大きく異なるのである。 …

偏在する危機

罹患率が、国民の二人に一人といっても、二人に一人は罹患しない。今すぐの罹患もあり得ない。 発生率が30年以内に70%といっても、30%は起こらないという事ではなく、いつか必ず起こる。それは今かもしれない。 確率の数字だけでは表現し切れない意味…

賽はこれから投げられる・・

モンティ・ホール問題は、モンティ・ホールが司会を務めるショー番組で出された、三択をネタにした確率問題である。詳しくは、ネット検索でご閲覧頂きたいのだが、要は、三択問題を、「一枝」と、「二枝」のグループに分けて二択にし、どっちを選ぶかという…

数の召命

ゴットフレイ・ハロルド・ハーディは20世紀初頭のケンブリッジの数学者で、閑長の贔屓である。電話や時計嫌いのところに惹かれてします。彼の自伝的著書はもちろん、解りもしないのシュプリンガーの数論の著作二冊を架蔵している。 そのG.H.ハーディが数学…

コンバイン

白熱教室というテレビ番組が四回にわたって、数学の分野間の連結と、物理との連携を流していた。キー概念は数学の「対称性」だった。初耳の話が少なく、論理展開の必然性も希薄だった。難解な理論を、瑞々しい直感で解説してほしかつた。 これはもう書いただ…

自由であること、作り出すこと

抽象化だけでは、既存の分野を極めることはできても、新分野や新境地を創り出せないのではないか・・。昨日の記事で言えなかったのはこの一言に近い。「新」の開拓・育成に最も必要なのは “ 自由 さ” と思う。自由には息抜き、夾雑物、わき道、凸凹、ザラザ…

高度化と抽象化 

物理学者の橋本幸士博士は科学誌「ニュートン」の常連執筆者である。ついこの間まで大阪大学の教授と思っていたら、先ほど、母校の京都大学の理学研究科の教授に就任した。専門は超ひも理論と素粒子論。胸躍る分野である。 博士はいう「もともと数学がやりた…

五感と調和

数字に素数という数があって、現代社会ではクレジットカードの暗号化技術に使われるなど、無くてはならぬものとなっている。素数は、1 より大きい自然数で、約数が 1 と自分自身のみである数である。一桁の数字では、2、3、5、7。英語のprime numberの方…

お閑な素数

自然数57は「グロタンディーク素数」と呼ばれる。もちろん57は素数ではないが( 3 × 19 = 57 )、グロタンディークが講義の際、誤って57を素数の例として挙げたことから特別に素数扱いされている。講義を聞いていたのは数学科の俊英ばかりだから、あれれ・・?…

数学者は予想し、証明する

数学の証明は一度であるが、「予想」という形で準・証明が提議される。数学には、仮説の提唱とその証明とがあって、仮説を提唱する人とそれを解く人とは、しばしば異なるらしい。 証明には又、「レンマ」という問題の書き換え、言い替え、があって、数学は懐…

物理学者は二度、証明する

先日、BS番組で「最後の講義 村上斉」が再放送されていた。これまで何度も観たのだが、もう一度聞きたいエピソードがあって録画して観た。 村上先生は、小学の低学年で高校の数Ⅲまでマスターしてしまったらしい。高校時代、数Ⅰに四苦八苦した自分と引き比べ…

無限をみつめて

アルキメデスと亀の寓話は、無限拡大と無限分割の混同の産物という。無限には二種類ある。 子どもの頃、子供と言っても小学生の低学年の頃、テレビにまつわるこんな夢想をした。観ているテレビの中で、テレビを観ている自分がいる。そのテレビでまた、テレビ…

まず、楽しもう

NHKのあの人に会いたいで女性物理学者「米沢富美子」がアンコール放送された。閑長は長年の富美子ファンである。自伝も架蔵、愛読している。 知能指数175を「問題数がもっと多ければ200を出せた」と言いのけ、育児・家事の中でも「研究時間は取れる」と垂範…

物理のモノ、数学のコト

湯川秀樹博士は自伝の「旅人」で、高等学校時代に数学と物理の選択に迷い、結局、物理を選んだいきさつを書いている。一つ一つ脱線せずに積み上げていく数学のアブローチ方法を敬遠し、物理を選んだらしい。厳密な理論と、自由な発想の物理との相性が、後の…

レンブラントと数学の鼓動

数字に素数という数があって、現代社会ではクレジットカードの暗号化技術に使われるなど、無くてはならぬものとなっている。素数は、1 より大きい自然数で、約数が 1 と自分自身のみである数である。一桁の数字では、2、3、5、7。英語のprime numberの方…

モンティ・ホールの、ご尤もな落し穴   

モンティ・ホール問題は、モンティ・ホールが司会をするアメリカのショー番組で出されたクイズ。直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」の好例といわれる(Wikipedia)。実は、三択問題を、一枝と、二枝に分けて二択にし、どっちを選…

閑長のお絵描き、ひと筆書き

数学に四色問題という難題があった。地図を塗るのに何色必要かという数学問題。地図だから同じ色が接してはいけない。定理にすると、「平面グラフは4彩色可能である」となるそうな。この問題、十九世紀半ばに発見され、二十世紀に入り、コンピュータの力も借…