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閑長のひとり言

閑長のひとり言

承前

 NHK「100分で名著」に肖ったボーボォワール「老い」論、「老人と性」についての管見である。
 「老人と性」に関して貝原益軒は「人、年二十の者は四日に一度もらす、三十の者は八日に、四十の者は十六日に、五十の者は二十日に一度それぞれもらす」としたうえに、「六十の者は精をとじてもらさず。もし体力盛んなれば一月に一度もらす」としている。主著の「養生訓」所載である。
 栄養と環境状態の全く異なる現代から見たら禁欲生活に近い。が、男性が書いた男性のための健康法で、ジェンダーによる贔屓目やバイヤスはなかろう。命と健康の観点からは、一定のセーブが推奨されるのは、当時も今も同じである。
 閑長が口を挟みたいのは、「ムラムラ詐欺」「オイオイ出費」防止のための「老齢と性」の心得の条である。続きは書かずとも知れようが、一例を挙げれば、ノーベル賞を発明したダイナマイトは、花嫁を探したが果たせず、四十を越して二十歳そこそこの娘と交際し、18年間に二百余通のラブレターを残した。が、結局、振られて嫁にはできなかった。ノーベル亡き後、女ざかりを迎えたその娘は、ラブレターをノーベル財団に高額で売り付け、巨万の富を得た・・。
 上野千鶴子東大名誉教授は社会学の泰斗なのであるから、「老人と性」のこうした将に“社会学的”な側面も論じて欲しい。

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 ノーベルは生涯、独身だった。