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閑長のひとり言

閑長のひとり言

古謡の流れ

 音楽は専門でも好みでもなく、むしろ苦手であるが、古謡には惹かれる。最初のフレーズを耳にしただけで、それと知れる。巧まず、語りのようで、自然だから、と思う。モーツアルトの曲の自然さとは源の異なる自然らしさである。
 一センテンスの前半上って、後半が下がる。フレーズの末尾を伸ばして繋ぐ。丘のような抑揚はあっても、山のような盛り上がりはない。エンディングはなく、こぶしもサビもない。
 小波が連綿とつづくような古謡を聞いていると、かな文字の書が想われる。

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