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閑長のひとり言

閑長のひとり言

イエスか肺か

 二十年ほど前、「イエスという男」という本を読んでイエスの像が結ばれた気がした。近頃、「失われた聖書 Q文書」を読んで、イエス像が更にクッキリした。
 使徒や信者にとって、イエスの教えを信じることは「快」以外の何物でもなかったと思う。ルイ・ルナンの「精神的新生の原動力」というのでは大仰すぎて意を伝え得ない。餓えても渇いても、圧せられても、イエスの言葉を聞くと胸がスゥーとしたから信じて、付き従ったのだ。
 イエスの言葉は質朴で、直截であったろう。風貌は野人的であったろう。イエスの逆説的言辞を聞くと、肺活量が大きくなる思いがし、厳しい境遇を受け入れる心の余裕が生れたのではないか。イエスは、画家で言うなら、今村紫紅小林和作と思う。閑長は弟分に任侠道を教える気風の良い兄貴分の姿を想起してしまう。

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