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閑長のひとり言

閑長のひとり言

放り出すこと

 詩人の高橋睦郎が、詩作するとは詩がやって来るのを待つこと、と語っていた。語りの相手は美学者青山昌文で、放送大学「美術の歴史と理論」の二回目の講義だった。閑長は詩人ではないが同感である。リルケは詩作とは待つことだ、と言っている。
 詩人は続けて、やって来るのを待つためには、自分を磨かねばならぬ、と語っていた。閑長は、そして放り出さねばならぬ、と付け加えたい。一瞬、自分を解き放つのである。カッコ付け過ぎに言えば、半跏思惟像の微笑みの瞬間であり、下世話めいて云えば、欧陽脩の三上の境地である。
 勝手な想像なのだが詩人さんも同意してくれるように思う。尋ねるわけにはいかないが。

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