miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

閑長の左みぎ

 ブロンズ作家丸山雅秋の作品にはキャプション表示がない。タイトルを尋ねられ、すべて「存在-関係だ」と応える現場に居合わせた。丸山は、ブロンズや石膏という扱いにくい素材を使う訳を、お能女形と装束、動作を譬えに引いて「不自由をあえて課し、本質的なものだけを表現」しているという。これは以前にも書いた。徒然草の「よき細工は、少しにぶき刀をつかふといふ 妙観が刀はいたくたたず」の段もその時引用した。
 今日書きたいのは、昨日に引き続き左右の話である。存在-関係を表現する丸山作品には、一つ、二つ、三つ、のオブジェクトを配置するものが多い。二つの作品で左右のバランスが異なるものも多く存在する。左にウェイストがある作は静態的で、安定的、シニア。逆に右にあるのが、動態的で、流動的で、ジュニア。これだけのことを言いたいのだが、あとは作品を観て頂きたい。

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丸山雅秋「存在-関係」