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閑長のひとり言

閑長のひとり言

御伽草子と絵日誌 

 長谷川等伯はその画論「等伯画説」で、「これにつけて思ふに、しずかな絵、いそがわしき絵など、心をつけて感ずべきことなり」と言っていて、共感した。共感というのが僭越ならば、意を強くした。閑長の絵画見立ての最高規範は、「しんとしている」か「騒がしい」か、である。“しん”は、閑かという意味だけなく深く、濃い美を指している。

 つい先日、「皇室の名宝」という番組で、皇室所蔵の丸山応挙と伊藤若冲を紹介し、生物学者福岡伸一教授が、応挙を“写実”といい、若冲を“物語”として、対比していた。以前も書いたが、閑長は若冲作品をくどくどしく感じている。物語としてもチト騒々しい。
 若冲の絵は、御伽草子であり、その眼は凸レンズである。応挙作品は日誌であり、その眼は平面ガラスである。落ちを付けるとするならば、両匠の存在で日本画が多様で豊かになったことだろうか。

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