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閑長のひとり言

閑長のひとり言

遊園地的鑑賞

ハイデッガーはまだドイツ語にも翻訳されていない」ドイツ人の哲学教授が、来日時に漏らした言葉という。上田閑照西田幾多郎の著作について「何ページにもわたって一行も理解できないことがある」と書いている。
 
 わからないもの、理解できないことは少なくないが、絵画、彫刻などの芸術作品は、意味や理解を求めなければよい。作中に加筆された人物か、作品にとまった昆虫にでもなった積りで、作品の中に身を置いてみる。中で遊んでみたらもっとよい。居心地がよければ、居続けるし、悪ければ退出するのである。パロディーやダジャレでなく、作品内存在となった行為的鑑賞がお勧めである。

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  山本弘「秋雨」