miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

無の作為 民の権勢

 柳宗悦の民藝は“民”の水準を超えて、あたらしい原理になってしまった。
 西田幾多郎の無は、「無」というには随分としゃしゃり出て、仕切り出した。
 
 絵から作為を除こうと努めた画家がいて、齢九十近くになった作品は形態も関係性もみえてこない。漠然とした色の塊と絵の具の肌があるばかりである。(しかし行列みたいな何かがあるぞ)。作家はそれでよい。鑑賞者はどうしたらよいのか。

 ポロックは、自分の絵は考えずただ見てくれといった。音楽を聴くように。
木の葉を揺らす風の音。船べりを叩く波の音、静まり返す雪の音。

 作為を取り除くという大それた作為。天然自然のあるがままの現象。
 どちらなのかは誰が判定するのか。考えつつ作品をみつめている。

 f:id:miyukie33ok:20210420082528j:plain