miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

眼差しの先

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徳利は首すじを眺め、杯は見込みをみつめる。
渦巻き模様の見込みは深酔いしそうで好まない。
色も酒の大切な味である。濃色の杯はつまらない。
何でもないような無地、無文様の薄めの色だと飽きがこない。

※見込みは杯の内側、映像はネットで出会いました。

酒と刀と

「笹の露」の愛称のある日本酒と、「秋水」の美称をもつ日本刀とは妙に通じ合っている。

戦国の刀に「笹の露」の異名をもつ利刀がある。触れれば命が落ちる。
美濃に雑味を除き尽くして水のごとき酒「三千盛」がある。越後には「上善如水」という酒がある。

山深み 春とも知らぬ松の戸に たえだえかかる雪の玉水  式子内親王
淡雪の 中に顕ちたる 三千大千世界 またその中に沫雪ぞ降る   良寛

刀と酒の通い合いに、大和心の一端をみる思いがする。
 
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 ネット収集画像

負い目と引け目

「ある文章のある文に当てはまる言葉は、たった一つしかない」と、ポール・ヴァレリー谷崎潤一郎、東西の文豪二人が、語ったか書いていたと記憶する。
「うとうと・うつらうつら」に引き続き、「負い目・引け目」の比較を試みたい。前回に引き続きこちらも修正、追加、叱責を歓迎します。

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模擬儀式

 季節外れの話題で恐縮だけれど、ひな祭りは結婚式のミニチュア、代替リハーサルと思っている。この見立ては父の受け売りである。父は初孫のひな祭りにそう語り、「本当の結婚式までは命がもたないものだから、昔の人が作ったんだろう」と続けた。
 その父が没して今年で14年である。親が没後10年以上となると、だんだん自分の番も近くなる。近頃は、言っている意味だけでなく心境も判るようになった。昨日はその初孫、閑長の長女の挙式だった。
 
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 ネット収集画像
 
 

同銘よしあし

 昔どこかで、刀と脇差は、同銘作を合さないもの・・と聞いた記憶がある。正宗なら吉光とペアにし、正宗と正宗の大小の取り合わせにしない、という意味である。いま、投稿するにあたってネットで調べたが、理由はおろか同旨の記事が見当たらなかった。あれはどこで聞いたものだったか。
 しかしこの仕切りと気配り、閑長は賛成である。正宗でなくとも虎徹でも国広でも、二本差しが同銘であっては、刀を差すのではなく、刀に差される気分で堅苦しく、遊びがない。そもそもそんなに揃うものではないが。
 似たことは結構、多い。上下シマシマのアンサンブルは何かとっぽい。酒器も備前備前では酔い口がよろしくない。どちらか片方が、唐津か志野がよい。もっと気付いたら、あとで加筆したい。

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 唐津の徳利。景色は金農の梅図を思わせる。
 

偏在する危機

 罹患率が、国民の二人に一人といっても、二人に一人は罹患しない。今すぐの罹患もあり得ない。
 発生率が30年以内に70%といっても、30%は起こらないという事ではなく、いつか必ず起こる。それは今かもしれない。
 確率の数字だけでは表現し切れない意味の機微がある。

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