miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

まくりとのがれ

 画家さん同士が描いた絵をどう保存しているか相談している場面になんどか出くわした。描けば右から左に売れていった、という横山操は別として、描けば描くほど作品が貯まっていくのが画家さんの宿命である。
 アトリエ→押し入れ→物置→倉庫のルートが、絵の保存先ではお決まりのパターンだが、それでもあふれ出すと木枠を外してキャンパスに戻し、積み重ねて保存するようになる。そうしている画家さんに何人も出会った。けれども作品のためにはあまり望ましくないようである。キャンバスにかかる緊張度が変わって、絵の具にかかる力の変化で剥落やクラックの原因になるらしい。それでも廃棄されるよりは、保存された方が良いには違いないが。
 しかし、日本画で軸装されていない「まくり」というのは時々耳にし、目にもするけれど、木枠を外した油彩画は何というのだろう。「はずし」というのも「はがし」というのは酷に思われる。「枠休み」では枠が主役になってしまうし、「俗眼のがれ」とでも呼んでやりたい気になる。