miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

買主の顔が目に浮かぶ

 地元で指折りの販売実績を誇る美術商さんが時折、「いい○○が入ったから見においで」と呼んでくれる。
お陰で岸田劉生の珍品や小山敬三の名品、熊谷守一のタブローなどを実見でき、眼福にあずかっている。
 その品々、昨日仕入れた品物でも、もう買い手がついていて、驚かされる。そういう時の美術商さんのセリフが冒頭の一句である。品物を見ると同時に、かねて欲しがっているお客の顔が自然と目に浮かぶ、というのである。
 孫子の「勝兵は先ず勝ちて、しかる後に戦いを求む」を美術の世界で実践している風があって、見事である。