no diffelntly
原書より良いと感じる翻訳に時たま出会うが、原書より映画のアテレコの方が良いというのはずっと稀だろう。その稀少と思われる例を「風と共に去りぬ」で見つけた。
スカーレットが愛のない結婚相手フランクの死に際し、慚愧の涙にくれる場面である。もう一度はじめからやり直せたら、旦那を愛して埋め合わせをするというスカーレットに、レッドバトラーが「You’d do no diffelntly.」 “皆、同じ間違いを繰り返す・・”と返す。
原著では、diffelntlyと言うのはスカーレットの方で、「I’d do it diffelntly.」“もっと違ったやり方をするわ” という彼女に 「You’d do the same things again.」 “同じことをするさ”とバトラーが応じる。
言い切り断言型の効果か、エヌオー no の魔味か、そも名作、名画の力なのか。とまれ、バトラーの「You’d do no diffelntly.」という一言が、閑長の迷いを吹っ切ってくれることが少なくない。