miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

るす模様としての道

 少し前に、キリストの後ろ姿を描いた絵を観てみたいが、そんな絵を観たことがないと投稿した。今も変わりがないのだが、最近、美術書を眺めていて、「こんにちは、クールベさん」がそれに近いように感じた。ギュスターヴ・クールベの代表作にして意欲作である。
 その絵、厳密に後ろ姿を描いていないが、左後方からの視座と対する二人の人物のアングルによって、おおよそ背後からの作品と見做しうる。そこに描かれたクールベの自我と主張は、超越的な存在をイメージさせる。
 そこから連想が広がった。「こんにちは、クールベさん」は路上での出会いを描いているが、「道」の絵の多くが、キリストの後ろ姿の留守模様のように思えてきた。岸田劉生長谷川利行東山魁夷、ホッベマ、フリードリヒ、まだまだ沢山あるように思う。

 いま、窓の外は春の雪である。閑に任せた夢想は、雪のように舞って、サッと消えてゆく。
 
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