ティッツアーノとレンブラント
画家は没年に関係なく、描くべき作品を描き尽くた、というのが持論である。早逝と長命に関わらず、である。
べつの物差しで、傍から見て、恵まれていたか、山谷があったか、というと対照的なのが、タイトルの二人の画家である。
片や名声と長寿に恵まれ(ペストには罹ったが)、此方、近親者の物故と金銭的ひっ迫で、六十代で没している。
“ 傍から見て ” というところがミソで、あくまで傍目であって、当人たちは、心底、幸福だと思って死んだと思う。
遺された作品がそう語っている。