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閑長のひとり言

閑長のひとり言

未知のみづうみ

 川端康成「みづうみ」は、教え子との不倫で退職になった元教員銀平の話である。銀平は美しい女の後を追跡する癖がある。みずうみのような少女の瞳の目のなかで泳ぎたい、という銀平の歪んだ願望がタイトルになっている。
 瞳と言えば、映画「カサブランカ」のセリフ「君の瞳に乾杯」は、今の良人に秘密で逢いに来て、“今でもあなたが好きよ”と囁くバーグマンに、ハンフリー・ボガードが返した一言である。閑長はこの一言を「君を、嘘ごと愛してる」の意味と思っているが、これは前にも書いた。
 魅力や謎、あるいは虚飾を湛える瞳に、近頃はトンとお目にかからなくなった。学生時代、旅行で見た白根山の湖のほうは、今も変わらずだろうか。
 
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