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閑長のひとり言

閑長のひとり言

いしが活かし、いしが弑す

 レオナルド作と騒がれるカターニャの自画像を観て、率直に後人の描いた理想像と思った。眼に意志がない。意欲、狂熱、自負、逡巡、悔恨、レオナルドであればそのどれとも特定できない情念が感じられてよい。カターニャの自画像から閑長が感じ取るのはせいぜい自足である。
 劉生の「初期肉筆浮世絵」を読んでいて「北斎はいいところもあるが覇気が強く、意志が見えすぎるので長い鑑賞には堪えない」と書いていて、啓示のように感じられた。一口目がうまい酒の記憶が蘇った。
 コーギャンの「人生の意味は意志の程度で決まる」という言葉は余生の伴侶である。
 劉生のゴーギャン評は寡聞にして知らない。

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