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閑長のひとり言

閑長のひとり言

劉生節

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 岸田劉生は『初期肉筆浮世絵』を書いて、肉筆の浮世絵を “ 濃い美 ” “ 苦い美 ” “ 卑近美 ” など、劉生的な切り口で語っている。語り口は一刀両断である。例えば北斎は「いいところもあるが覇気が強く、意志が見えすぎるので長い鑑賞には堪えない」と処断する。目にしてハッと見方が深まった気がした。一口目がどえらく旨い酒を想起した。
 本書は、青山二郎が陶芸指南書『陶経』で「まこと 器物の不思議極めん志しあらば 先ず岸田劉生居士が初期肉筆浮世絵なる一巻より繙くべし」と紹介している。これを見つけた時は驚いた。