味噌は豆を煮て・・
今月6日の「われらそば蛮族」の投稿で、古代の蛮族が野牛の肉を、その胃袋に水と入れ当の牛の骨を焼いて煮るエピソードと、閑長のそば湯でそばを啜る習慣を似ている、と紹介したが、中国の故事を失念していた。三国志の姦雄曹操の二人の男児 曹丕と曹植にまつわる「七歩の詩」である。
煮豆燃豆
豆在釜中泣
本是同根生
相煎何太急
豆を煮る豆の豆がらを燃く
豆は釜中にあって泣く
本是同根より生ずるを
相煎るなんぞはなはだ急なる
「七歩歩くうちに詩を作れなければ死刑にする」と、ムチャを云う兄曹丕に、弟曹植が作った詩で、自分たち兄弟のことを、釜の中で炒られている豆に例え、不仲を嘆いている。この詩を読んで曹丕は曹植の才幹を認め、兄弟の諍いも収まったという。ここから文才に優れしかも筆が早いことを「七歩の才」と言うようになった由。
ともあれこれにて西洋と東洋及び日本のエピソードが揃い踏みしたわけである。手前みその感は残るが。