miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

えとせとら

蟷螂の夢 邯鄲の斧

晩秋になってカマキリを見かけると蟷螂の斧のことわざを思う。いわずと知れた、空しい抵抗の譬えである。邯鄲の夢もはかなさの諺であるが、シルエットも似たこの二つの俚諺の、夢と斧を入れ替えても十分に通じそうな感じがするのは、中国古典の含蓄の深さで…

前後即成立に非ず 説法即先覚に非ず

徒然草に枕草子、そして方丈記を日本の三大随筆というらしい。この三作品、高一で徒然草を習い、二年で枕草子、その後土佐日記や鏡物と一緒に方丈記を知ったから、成立順も履修順だとばかり思っていた。放送大学を視聴し、平安時代に枕草子がなり、鎌倉の前…

表現のむこう側

テレビで死人が現れる「井筒」という「能」をみた。能は死者の踊りといわれるほど、死霊が多く登場する。見終わったあと、ラテンアメリカ文学を思った。ガルシア・マルケスの「百年の孤独」でもルルフォの「ペドロパルモ」でも死人が生きている人のように描…

アナザーと一期一会

映画「風と共に去りぬ」は、レッド・バトラーに去られ、打ちのめされたスカーレットが「明日は明日の風が吹く」と呟いて自分を鼓舞するシーンで終わる。原文「Tommorow is another day」。タイトルの"風"に掛けた翻訳で、男性的なスカーレットらしい。直訳す…