2020-10-17 表現のむこう側 えとせとら テレビで死人が現れる「井筒」という「能」をみた。能は死者の踊りといわれるほど、死霊が多く登場する。見終わったあと、ラテンアメリカ文学を思った。ガルシア・マルケスの「百年の孤独」でもルルフォの「ペドロパルモ」でも死人が生きている人のように描かれ、キーとなる役を演じている。 能もラテンアメリカ文学も、生者だけでは”生”を表現できないから、死者を登場させたのだろう。文学でいうなら寓意や比喩、絵では、抽象で描くリアルの世界だろうか。 正対や直視の限界。領域外や、対立界から表現することで捉えられる不思議がある。 仙厓「〇△▢」