アナザーと一期一会
映画「風と共に去りぬ」は、レッド・バトラーに去られ、打ちのめされたスカーレットが「明日は明日の風が吹く」と呟いて自分を鼓舞するシーンで終わる。原文「Tommorow is another day」。タイトルの"風"に掛けた翻訳で、男性的なスカーレットらしい。直訳すれば「今日は今日、あしたは別の日」だろうか。
アナザーでお代わりを一杯。ドイツ文学者の高樹義孝がエジンバラのバーで、あまりに美味かったジンを「Same one please!」とお代わりしようとすると、美人のウェイトレスに「Same one?」「Another one!」言い直されたというエピソード。帰国してエッセイにしている。
粗略な締めくくりだが、気付かぬ一期一会は多い。
新津文紀「雨蛙」