東京で学生をしていた頃、行きつけの床屋の店主に「ゴルゴ13」を書いているのはさいとうたかをじゃないョ・・と聞いて仰天した記憶がある。
デューク東郷ゴルゴ13の貌は、閑長の見る限り、5、6回変わっている。当初の貸本顔から劇画顔を経て、中年太って、ノッソリ顔となり、リターンして無骨になって、今日に至っている。変化はもっと多い、と言う人がいたら賛同する。要は書き手が都度、変わっていたのだと思う。さいとうたかを氏が実際に書いたのは「ビッグ・セイフ作戦」辺りだけなのかもしれない。
この間、サイドアームはあまり変わっていない。アーマライトM16カスタムとその子孫たち、S&W M36チーフスペシャル2inchs等々。今となってはローテクといえる武器である。M16については、さいとう自身が「自分は一人の軍隊である」とゴルゴに言わせ、使い続ける理由を説明している。苦しい言い訳である。ランボーが苦笑しそうだ。
だが21C、令和の今日、ゴルゴ13の意義はM16とM36に象徴される。ヒューマンテックとアナログ的判断、体技と集中性、精神性に、AIを凌駕するパファーマンスが期待されるのである。
デューク東郷と藤井三冠が重なってみえる。