miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

怪談男

 夏の読書スペースとして、階段は実にいい。
 腰を掛けられる、階段窓から冷風がふきこむ(階段風は心持ち涼しい)、読みかけ本と読了本を踏み面で別けられる、らせん形状なら壁が背もたれとなる・・。
 ところで阿部公房の「箱男」には庇による“雨仕舞”の方法が書かれていた。「階段男」では、家人である通行人さんへの配慮、“通り仕舞”が必要である。
 足音を察したら居住まいを整える、内側通行を家内ルールとする、飲食は量を弁え、食べカスはキレイに始末する、ビールを飲んで騒がない、夜間の読書敢行は、気味悪がられぬよう、時おり咳払いする、等々。

 日常を離れた耽書空間を求めて閑長は、こうして夏の「階段男」を自認、満喫している。

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