痩せと俳句は相性がいい。太るだと句にならない。
夏痩の手に広辞苑 重きかな 岩崎照子
只でさえ重い。
夏痩にことさら触れで 別れけり 宮地英子
夏痩せの事には触れず 別れけり 加藤正子
還暦ともなれば誰でも心当たりがある。
夏痩詩人 ワインの栓も抜き兼ねし 安住敦
酒を求める意思はある。
夏痩せて 嫌ひなものは嫌ひなり 三橋鷹女
有名句。
鷹女のもう一句。
白露や 死んでゆく日も帯締めて
死・・というと思いだす夏痩せの句、こちらも女性句。
夏痩せてひとりは覚悟 死ぬ日にも 稲垣きくの
きくののもう一句。
忘れねばならぬ旅きて 野のあざみ
いつか薊の句でも書いてみたい。