2021-05-02 ふ・じゅく 絵画鑑賞 “不熟”は、岡倉天心が愛弟子の菱田春草を評した言葉と記憶する。春草は、明治を代表する夭逝の日本画家である。 あとに続く語を否定的、消極的に受ける“不”であるが、この語句だけは例外で、若々しく、脈打つような可能性を感じさせる。未熟とは異なるニュアンスと語感がある。 今、この時代、この時期、春草に続く不熟の画家の出現が待ち遠しい。 田中日沙野 「NO TILTE」他 於ギャラリー82