夏目漱石はベルグソンの文章を“ 水晶のように明晰 ”と賛美している。
レイモンド・ラディゲの文章は“ダイヤモンドのように硬質 ”と形容されている。評したのはラディゲ贔屓の三島由紀夫だったろうか。
小林秀雄は自分の文章の書き方として、「最初にある角度から書き始め、次にまったく違う方向から書き続ける」としている。読んで正多面体をイメージした。小林は続けて、「若いころは意図してそうしたが、やがて自然に出来るようになった」とも書いている。
水晶もダイヤもクリアに輝き、そして結晶を成している。
してみると、A≒B≒C と、一応は言えそうである。