2020-10-19 閑長の対象と方法 文学 「対象はある 方法はない」 カフカの「城」の一言コピーである。10年くらい前、確か新潮文庫の帯で見かけた。城に雇われたにもかかわらず、城に通じる道がわからず麓の村に留まらざるを得ない測量師の境遇に相応しいキャッチである。本はすでに持っていたから買わなかった。それを今頃になって悔やんでいる。この警句、「城」に留まらず、もの事、人生全般に当てはまる気がする。「審判」「変身」の分も見てみたい。自分でも試みたが、未だに満足のいくものが出来ない。 新津文紀「於北相木」