miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

閑長がみた風の色

あんなに耳にした蝉の声が、近頃トンと聞かなった。
蝉鳴くや つくづく赤い風車 
ふるさと信濃俳人小林一茶の句。“つくづく”が効いている。

めっきり秋めき、近頃は吹く風にヘアラインが感じられる。
白山の石より白し秋の風      
芭蕉の秋を捉える感性には心底、共感する。

最後は、物質と色のイメージをものした飯田蛇笏の句。
鉄(くろがね)の秋の風鈴なりにけり 
鉄の無機質な肌合いが寂寞感を伝える。

どの句も視覚では捉えられない風を、色に仮託して詠った句。風を介して色で語って、季節とその風趣を伝えている。
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長雨後の鳥海石。