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閑長のひとり言

閑長のひとり言

併存、併記のバランス

 物質の最小単位である原子は「原子核と電子の電磁相互作用による束縛状態にある」とされる(Wikipedia)。原子核の陽子は、プラスの性質をもっており、電子はマイナスの性質をもっている。このため、プラスの原子核とマイナスの電子がお互いに引き合いながら回転し、構造体として保たれている。

 物質の最小単位の、こうした状態を思う時、飛躍めくが言葉の“ 意味 ”の内部構造を思う。
たとえば、圭角という言葉がある。圭は玉(ぎょく)意味し、角は文字通りカドをあらわして、第一義に、玉 (ぎょく) のとがったところ。第二義には、 性格や言動にかどがあって、円満でないこと。を意味するとされる。これが大方の辞書の語釈である。
 はてな、この語釈でよいのだろうか。玉、角など、優勢的、中立的な部品で組み立てられる言葉は、一方向のみの語釈では成り立ち得ないのではないか。プラスとマイナスがバランスしなければ、意味体として構築されないのではないか。
要するに“ 際立って勝れた特長 ”的な意味を帯びて初めてバランスが取れ、言葉となして纏まる筈ではないか。辞書であるならば、この両義を併記してほしい。

 閑長はかく愚考する。味方になってくれるのは、管見のかぎりでは「新潮国語辞典 現代語-古語」※だけである。

 ※「圭角」第二義「才能や見識が他にきわだっていること」

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