2021-04-18 描き過ぎと偏愛 絵画鑑賞 レオナルド・ダビンチは「モナリザ」を終生、加筆したという。そのエピソードが画聖にして万能の天才レオナルドの声望と「モナリザ」の神格性を一層高めているようにみえる。 けれども普通は、加筆した絵、少なくとも加筆が過ぎた作品に名作はないと思う。描き込んだ絵は、逡巡がみえ、真意が埋もれる。 構図の脆弱は線の数で補えない。 画題の重さ、深さはなぞ繰りでは表せない。 管見である。モナ・リザに尋ねても、黙って微笑むばかりである。