2023-01-16 二つの肖像 読書 甘粕正彦の評伝二作を続けて読んだ。 似て非なる人物が二人現れた。 両作を合体、混合させようとしても。中々混ざり合わない。 山なら山、薔薇なら薔薇といった、同じモチーフを描いた別の二つの絵に思えた。 伝記の宿命かもしれないが、客観を探索し選別するのは主観なのだ、 偶然と運も大きく影響する。 率直な読後感をいえば、余りのめり込まない女性作家の筆に共感を覚えた。 角田房子「甘粕大尉」 佐野眞一「甘粕正彦 乱心の曠野」