miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

火の意図せざる意図

 故里の浅間山は、見る角度によって山容が大きく異なる。中軽井沢からと、蓼科方面から見た浅間とは、同じ山には思えない。角度によって姿を変えるのは火山の特長のようである。東北の火山 鳥海山も見る角度で別の山である。

 地球の地殻変動でいったん出来上がった姿が、火山活動で変容を遂げるのは、手練りで作った粘土が、かまどで焼成されて造形を変えるのと似ている。尖がった作意の角が、ストッと落とされる。七合目に至った含意がもう一歩二歩、歩みを進める。

 浅間山の威容を眺めていると、陶芸家 加藤藤九郎の「焼き物は造るものだが、出来てくるもんだ」という言葉を思い出す。