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閑長のひとり言

閑長のひとり言

マダムとの相性

 「マダム・ボヴァリー」は、ほとんどの仏文関係者が賛美するフローベールの名作であろう。サマセット・モームの推す『世界の十大小説』の一冊でもある。
 ミーハーの閑長はもちろん飛びついて読んでみた。入手困難な中村光夫訳の文庫本まで手に入れて読んだ。
結果、ちっとも良いとは思えなかった。けれども誰にも黙っていた。

 近頃、博覧強記の碩学にして読書家の立花隆が本書を「さほど良くなかった」と書いているのを知って、千万の援軍を得た思いだった。あの本を評価する人は、いったいどこが面白いのだろう。
 結局、立花隆本人が言うように、本にも人それぞれの嗜好と相性があるというのが正解なのだろう。マダムと閑長とは、相性不一致だった。