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閑長のひとり言

閑長のひとり言

訥言と一念

 眼疾により盲目となった画家二人の話である。

 田中訥言は江戸時代後期の絵師である。閑長は名古屋市博物館の加藤清正像が贔屓である。復古大和絵の祖として知られるが、視力を失ったため舌を噛んで命を絶ったと伝えられる。享年57。訥言とは、たどたどしい物言いの事を云う。

 曽宮一念は、明治の中頃、東京市日本橋区に生まれ、文展、二科展、独立美術協会で活躍後、国画会にも属した。空と雲を得意とした洋画家である。八十歳を前にして失明、絵筆を折り、以後は歌人、エッセイストとして更に20年数年を生き、百一歳の齢を保った。

 境涯を知ると一層、その画家の絵が見たくなる。