仁 立
全日本柔道で、二十歳の若武者 斎藤立が優勝した。立は、五輪二連覇し、先年惜しまれて早逝した柔道家 斎藤仁の次男である。長い全日本の歴史でも親子二代の優勝は初めてという。父仁は、五輪を取って後、悲願の全日本を制した。息子立も全日本をもって頂点としてはならない。
以前投稿を再録して、斎藤父子のオマージュとしたい。
「チャレンジャーは強いだけでは王者になれない。
チャレンジャーらしい勝負で王者を下さなければならない。
1985年の山下・斎藤の全日本柔道は、51対49で斎藤の勝ちだった。
試合後の両者のしぐさでわかる。
斎藤に足りなかったものをもし挙げるならば、挑戦者として闘いだった。
だが試合後、「山下先輩よりも弱かったから負けた」と語った一言で、斎藤の“王者”がわかる。
勝っただけでは王者ではない。
じょっばり柔道は聳えている。」
聳えたつ斎藤連山を期待したい。