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閑長のひとり言

閑長のひとり言

ウォッカ 定窯 唐津 オールドパー

 開高健は、古今東西の銘酒を飲み味わって、行き着いた酒としてウォッカを挙げている。木炭で濾して濾し尽くしてほとんどアルコールに近いこの火酒を、飲み飽きず、宿酔いもしない酒として賛美している。
 焼物研究家の中島誠之助は、自身が欲しい焼き物として、たった一つ定窯白磁の皿を挙げている。青磁でも赤絵でもない白一色の皿を選ぶに至るまでの、骨董道の曲折を想像する。

 斯界の大目利きであるお二人には遠く及ばないが、近頃の閑長は、酒は不愛想な位に雑味の少ないもの、焼き物は飾り気の少ない、暴れの控えめなものが感性にピッタリくる。ウイスキーではオールドパー、徳利・ぐい吞みでは唐津などである。

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