派手さ、渋さが決する雌雄
来国行は刀匠集団来派の始祖で、直刃調の渋い作りをもって知られる。
長船光忠は、こちらも一大刀工グループ長船派の祖で、華麗な刃紋が多い。
どちらも代表作は国宝に指定され、尊ばれているが、総じて世評は光忠が高い。
それは国宝重文指定数の差でも判る。
渋さよりも華麗さが好まれた結果にみえる。
ミドル級タイトルマッチのマービン・ハグラ―VSシュガー・レイ・レナード戦。
パンチ、体力で上回るマービン・ハグラ―がスプリット負けを喫した一戦は、
スピードがパワーを、華麗が野趣を制した結果にみえる。
ハグラ―の意に反して十二回戦だったが、
あと三回のチャンスがあれば、ハグラ―のKO勝利になったかもしれない。
加齢によって“ 渋 ”好みが増すと、雌雄の付け方にも注文が多くなって困る。