中と英の各国史
受験の世界史で、仕上げとしたのが各国史だった。当時、各国史専門の学参は三省堂が出している一冊しかなく、200ページ余りのその本を、二、三日で頭に叩き込んだ。もう半世紀近く前のことである。
受験当時は特段の所感を持たなかったが、三十代以降、数多ある各国史の中で、宮崎市定の「中国史」とアンドレ・モロワの「英国史」を読んで、中国とイギリス両国の、各国史としての無類の面白さに気付いた。宇佐美文理の「中国絵画入門」、高橋裕子「イギリス美術」にも多いに啓発された。
各国史の魅力は、多民族との抗争と登場人物の個性、他流試合による生活、言語など、文化の多様化、今に続くそれらの影響、などなどである。中・英両国の歴史には、これらの要素が満載である。
しかしこうしてみると、残念ながら日本史など日本人にしか興味が湧きそうもない・・。ツイ、そう思ってしまう。