miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

マレーヴッチと救世観音

 マレーヴィッチの「黒の正方形」の黒地のクラック、ヒビはマレーヴッチが作ったものではなく、制作後に生じたものという。今の状態になったのは作家の没後ではないだろうか。
 法隆寺の救世観音を再現する番組があって、飛鳥時代の黄金に輝く姿を映し出した。口の周りの髭かと思われる墨痕は、言葉を発する姿を模したものと説明さていた。 

 もし「黒の正方形」にクラックが無かったら、こうまで惹きつけられたろうか。
 救世観音がキンキンのままだったら、秘仏と言われたろうか。

 話は変わるけれど、閑長は「良書は新刊として生まれ、古書として育ち、さらにその中から古典籍に至る」という見立てをしている。この伝を応用すれば、美術品は新作として生まれ、美として育つ・・言えるかもしれない。
    
  [f:id:miyukie33ok:20211220175217p:plain