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閑長のひとり言

閑長のひとり言

稲穂の匂い

 稲の穂に匂いはあるのだろうか。 
 高校時代の和歌を扱った授業で、担当教諭がある歌を採り上げて「稲の匂いというのは無いから、この歌でいっている“稲の香”というのは想像だろう」と話したことがあった。今、当のその歌を挙げられればよいのだが、思い出せない。万葉か古今、新古今か、ともなく高校で取り扱うレベルの古歌である。
 閑長は農家の出ではないが、稲の匂いはある。田んぼの土の匂いなのか、穂の毛の香りなのか定かでないが、ともあれ稲穂が実る頃、田んぼの回りに匂う固有の匂いが確かにある。授業の折にもそうと気付いたが、若さの気後れか、発言して指摘することはなかった。
 あの時の歌を、今も時折探している。古文の教諭は、一度、工業大学に進学後 思い直して転身、国語科教諭になったという変り種だった。その教諭の名も思い出せない。

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