miyukie33ok’s blog

閑長のひとり言

閑長のひとり言

青い空、茶の大地

 シュールの前衛画家といわれる古沢岩美は、「日本のダリ」と称されたという。偶々観ていた古沢岩美のエッセイ集に書いてあった。画題とモチーフ、それにド肝を抜く描きっぷりが似ているという。
 「日本のダリ」といえば、岸田劉生の「道路と土手と塀」(切通之写生)とダリの絵の共通性を指摘した文章を、以前どこかで読んだ。確かに空の青さと土の茶色は両者共通である。読んだのは本格的な論稿というより、サラリとした一文だったが、もっと進めて「デロリの美」まで通底してはいまいか。ダリの有名な「記憶の固執」や「大自慰者」などを観ているとそう思われてくる。劉生の方がダリより十歳以上年長である。ダリを「スペインの劉生」とするのは行き過ぎとして、イメージでは劉生が先行している。